ドル/円 1時間足
22日月曜は終日、値幅の狭い横ばい状態が続きました。
23日火曜、ナバロ米大統領補佐官が、中国との通商交渉について「OVER」(終わった)と発言したため、リスク回避の円買いから急落となりましたが、その後否定され急反発となりました。
ニューヨークオープン直後から売りが強まり急落し、一時週安値106.08円をつけましたが、その後106.55円近辺まで反発しました。
ソフトバンクの巨額損失に絡んだ海外株の売却という噂も出ましたが、結局売り筋はわからずじまいでした。
24日水曜、前日の急落を見て、マーケット心理が弱気になったもようで、値ごろ感(※)から売り上がったようで、マーケットはショートになりジリ高となりました。
値ごろ感
- きわめて感覚的なもので、「このあたりなら売ってもいいかな」「買ってもいいかな」というフィーリングのこと。
ニューヨークに入り、買いが強まり、ショートのストップロスを誘発(※)しながら、107.07円近辺まで上昇しました。
ショートのストップロスを誘発
- 急上昇時に、注文されているショートのロスカットが玉突き的についていくこと。
25日木曜、引き続き、値ごろ感からの売り上がりが続きます。
ショートポジションは解消されず、それでも上がるため、あきらめたショート筋の買い戻しに上昇は加速し、一時107.45円の週の高値をつけました。
26日金曜は前日の急上昇を見たためか、マーケット心理は強気。
今度は値ごろ感から買い下がりましたが、マーケットのポジションはロングになりました。
マーケットがロングになったことに気づいたロンドン勢は、ロングを切らせようと売り込んできて、一時106.81円まで急落しました。
しかし、ニューヨークに入り反発を始めると、今度は売り上がったためショートになり、下がらないため買い戻しとなります。
一時107.36円近辺まで上げた後、107.22円で越週となりました。
今週は、それほどニュースらしいニュースもない週の中、思惑だけで上げたり下げたりを繰り返しました。
結局言えることは、下がったという事実を見てから下げを確信し売ってショートになり、また上がったという事実を見てから上げを確信し買ってロングになるということを繰り返したために、レンジ相場の中で上がったり下がったりを繰り返していることです。
「レンジ相場は値幅が狭い」と甘く見ていると思いのほか損失が膨らむのは、この下がったら売り、上がったら買いを繰り返すことが大きな理由になっています。
ですので、大事なことは、今の相場がレンジ相場なのかトレンド相場なのかを見極めることです。
トレンド相場になるのは、実際に相場にフロー(資金の流れ)があるときです。
フローがあればこそ、相場は一方向に進みます。
しかし、このフローがなければ、流れは滞留することになります。
こうなれば、売ればショートになり、買えばロングになって、一定の値幅の中を往ったり来たりすることになります。
ですので、レンジ相場では深追いせず、利が乗ればどんどん利食って行くことが大事です。
また、常にポジションを持つのではなく、ここぞという時に短期的に勝負をつけることが肝心です。
尚、6月22日の週の1時間足チャートを見て気づくことは、23日の安値よりも24日の安値は高くなり、さらに26日の安値は切り上げています。
これが意味していることは、マーケットは、未だにショートだということ。
したがって、翌週に向けて上昇基調は続くものと思われます。
そして、4月以降、月初めの第2営業日から3~4営業日の間に、GPIFの買いと憶測している強力な上昇が毎月出ており、7月初めについても十分警戒しておくことが必要です。
本来7月4日は米独立記念日ですが、今年は土曜にあたるため、7月3日金曜が振替休日となります。
その関係で、米雇用統計は前日2日木曜となります。
4月以降の月初めの強力な買いの中心は、米雇用統計後に出ているもようですので、出るとすれば、3日金曜か6日月曜あたりが要注意と見ています。