ドル/円 1時間足
20日月曜、5・10日(ゴトウビ)で10時前の仲値決め(※)に向けて輸入決済(※)のドル買いが出て強含みました。
5・10日(ゴトウビ)
5日、10日、15日、20日などの5の倍数の日。
輸入企業が輸入決済のドル買いを仲値決めに向けて行う傾向があります。
仲値決めとは、午前10時前に、大手各銀行がその日の公表レートを決定します。
公正なレートとされ、取引に使用する企業が多いと言えます。
輸入決済
輸入企業は、海外から輸入した原材料・製品の代金を海外企業に支払うため、銀行からドルを買い、送金します。それを輸入決済と言います。
ニューヨークタイムは、原油先物(※)の5月限月(※)がマイナス40ドル前後に急落したものの、107.70円前後で膠着が続きました。
原油先物
将来の原油の価格を現時点で決めて、後で受け渡しをする取り引き。
しかし、実際には受渡期日前に反対取引で決済して、差金(差額の損益)を受渡しするのが一般的です。
限月(げんげつ)
先物取引の商品の受け渡し期限です。
21日火曜、結局は原油安で売り仕掛けされ、一時107.29円の安値をつけました。
しかし、売り過ぎたために反転上昇。
22日水曜、原油高米株高になるも、ドル/円は揉み合いを続けました。
23日木曜、ユーロ/円の売りに押され107.35円まで下げた直後。
日銀が27日月曜の金融政策決定会合(※)で無制限の国債購入(※)とコマーシャルペーパー・社債の購入倍増(※)を議論すると報じられたことから、ショート(売り持ち)のロスカットを巻き込み急反発となり、一時108.05円の高値をつけました。
日銀金融政策決定会合
日銀が金融政策を決定する政策委員会の会合で、年8回開催されます。
無制限の国債購入
日銀が国債購入のめどを撤廃して無制限に購入する政策。つまり、追加の金融緩和策(景気を上向かせるために行われる金融政策)のひとつ。
コマーシャルペーパー・社債の購入倍増
企業が資金調達で発行するコマーシャルペーパー・社債を日銀が購入する額を倍増するという金融緩和策のひとつ。
25日の5・10日(ゴトウビ)が土曜であったため、前日となる24日には10時前の仲値決めに向けて輸入決済のドル買いが強まりました。
しかし海外時間に入るとジリジリと売られ、結局、107.50円で越週となりました。
今週は、週間のレンジ幅が107.29円~108.05円と76銭しかなく、レンジも極まった感がありました。
しかし、来週も29日は昭和の日で東京は休場ですし、基本的にはレンジ相場が続くものと見ています。
実質的に相場が息を吹き返すのは、ゴールデンウィークが明けてからになるものと見ています。
例年4月は機関投資家も輸出入企業といった実需も、新年度方針の策定にあたるため不在。
マーケットには売ったり買ったりを繰り返す投機筋しかいないということが、これだけ相場を膠着させるものだということを、よく覚えておくことが必要です。
4月は、入学式や入社式があって、「(気持ちも新たに)さあ、やるぞ!」と気合が入りやすいものですが、マーケットでは、その気合は実を結ばないことがお分かりいただけたかと思います。
この時期は、抜け目なく逆張りのレンジトレードに専念するか、あるいはドル/円以外のもっとボラティリティ(価格変動率)の高いクロス円をやるなど、工夫が必要です。
つまり、相場が動かない動かないと嘆くのではなく、知恵と工夫で乗り越えることが大事だということです。
発想を切り替えれば、また別の世界も見えてきます。
相場は、それだけ奥が深いものです。