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イエレン・ダッシュボードいえれん・だっしゅぼーど

第15代FRB(米連邦準備理事会)議長ジャネット・イエレン(在任2014~2018年)が、金利政策を考える際に重要視したとされる9つの雇用関連指標。英語ではYellen’s dashboardと書く。ダッシュボードは計器盤を意味する。

具体的には、非農業部門雇用者数、失業率、労働参加率、広義の失業率、長期失業者の割合、退職率、求人率、採用率、回顧率の9つである。これは、イエレン議長の会見後に「ダッシュボードに入れている指標は何か?」という質問に、イエレン議長が前記の9つの指標を挙げたもので、以来、イエレン・ダッシュボードと呼ばれるようになった。

雇用統計で発表される指標が5つ(非農業部門雇用者数、失業率、労働参加率、広義の失業率、長期失業者の割合)、月次求人労働異動調査で発表される指標が4つ(退職率、求人率、採用率、回顧率)である。 当初、イエレン・ダッシュボードには各指標のウェートが曖昧であるとの批判があった。そのため、19個の労働関連指標で構成されたLMCI(労働市場情勢指数)が開発された。

しかし、イエレン議長在任時の2017年7月、FRBは突然LMCIの発表を停止した。その理由はさまざまな憶測を呼んだが、FRBは「労働市場の変化を捉えるには、もはや有用ではなくなった」と説明している。
以降、イエレン・ダッシュボードが金融市場で注目されることはなくなったが、複数の指標を参照するという手法は、現在でもFRBの金利政策や、金融市場の動向にも影響を与えている。

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