さまざまなテクニカル分析を開発した、アメリカのJ.W.ワイルダーの相場トレードの考え方。ワイルダーは、RSI、DMI、ADXなどを考案したテクニカル分析の第一人者で、トレーダーにしてトレンド・リサーチ社を経営する経営者でもある。
さて、ワイルダーの定義とは、当日のトレンドが継続するか転換するかを、前日の四本値からその傾向を探り出す手法で、ワイルダー自身の経験則からまとめられている。そのため、具体的な根拠がないことから懐疑的な見方をする向きもあるが、その有効性や優位性は、世界中のトレーダーから支持されている。
端的に言うと、「当日の終値が前日の安値を下抜けしない限り、トレンドは継続する」というものである。ワイルダーの定義では、始値、高値、安値、終値の四本値にそれぞれ意味を持たせている。始値は、前日の相場と当日の思惑を織り込んだ価格。高値は、投資家心理と相場の勢いを現わし、翌日の抵抗線となる価格。安値は、意味は高値と同じだが、翌日の支持線となる。終値は、終日の思惑をすべて取り込んだ確定値で、翌日の相場にもっと近い価格となる。
ワイルダーの定義では、前日安値>前々日終値の場合、当日の終値が前々日の終値を下回らなければ上昇トレンドは継続、前日安値<前々日終値の場合、当日の終値が前日の安値を下回らなければ上昇トレンドの継続となる。
前日高値<前々日終値の場合、当日の終値が前々日の終値を上回らなければ下降トレンドが継続、前日高値>前々日終値の場合、当日の終値が前日の高値を上回らなければ下降トレンドの継続となる。