ごく稀にしか起きない事象から生じるリスクのことで、ブラックスワン・イベントとも呼ばれる。テールは、英語でtailと書き、統計的な分布を描いたときの端っこの部分を指し、つまり、ほとんど起こらないはずのことを意味する。
テールリスクは、何十年に一度起こるか起こらないかというものだが、いったん発生すると、想定外の暴落、暴騰が現実のものとなる。
直近では、2008年のリーマンショックがあげられる。このとき、日経平均は9月の1か月間で約14%下落、10月は24%下落した。
また、2016年のブレグジットもテールリスクと言われる。というのも、イギリスのEU離脱の国民投票が行われたとき、市場は「残留派が勝つ」という想定で相場に織り込んでいた。ところが、ふたを開けてみたら、まさかの離脱派の勝利となった。このとき、円相場は106円から99円まで一気に円高に振れたのである。さらに、2018年3月にはコロナショックに原油安が加わって、相場は大荒れの状況となった。
本来であれば、何十年に一度のリスクのはずが、最近は数年ごとにテールリスクが頻発していることもあり、テールリスクが注目を集めることになった。