英語でSlippageと書き、直訳すると「ズレ」となる。FX取引では、ミリセカンドレベルの速さでレートが変動している為替市場が取引場所となり、投資家が注文を発注した価格と、FX会社にその注文が到着するまでのわずかな時間でも価格が動き、発注レートと約定レートに誤差が出る場合がある。その誤差をスリッページという。
相場が緩やかな場合、保ち合い相場で動きが少ない場合にはスリッページは発生しにくいが、大相場などで相場が大きく動いている場合には、スリッページが発生しやすくなる。「価格がすべる」という表現も、スリッページのことである。
FX会社のほとんどは、スリッページ許容範囲を設定しておくことができるので、想定以上のスリッページが発生したときに注文をキャンセルすることができる。
また、指値注文を入れておけば、スリッページによる約定はなくなる。一方、逆指値の場合はスリッページが発生することがあるので注意する。逆指値の場合、指定した価格に到達してから注文を出すことになるため、注文を出して待っている状態の指値とは状況が異なるのである。
FX会社によっては、サーバー処理能力が低いためにスリッページが発生することもあり、FX会社の選択にも注意を要す。