景気後退局面のことで、英語でRecessionと書く。また、不況期のことをいう場合もある。リセッションより遥かに景気が悪くなると、恐慌になる。
リセッションの定義は各国まちまちで、欧州やアメリカでは実質国内総生産(GDP)が2四半期以上、連続して減少したときをリセッションとする。ただし日本ではリセッションに明確な定義はなく、国内経済活動の衰退が数か月連続したときをリセッションと言うため、たとえば国のトップがリセッションを認めなければ、公的なリセッションとはならない。そのため、日本では内閣府が公表する景気動向指数のDI(ディフュージョン・インデックス)が50%を下回ると、便宜上のリセッションといわれる傾向がある。
資本主義経済では、景気は好況、後退、不況、回復の循環を繰り返す。この中で、後退から不況にかけてがリセッションであり、景気後退といわれる。一方、不況から回復へ向かう途上で、一服、もしくは一時的な下げ局面は景気減速という。字面は似ているが、両者は異なる使い方をするので注意。
リセッションが確認されれば、当然その国の株価や通貨は売られる。また、リセッションの懸念が強まるだけでも相場は上下する。消費増税の影響にコロナショックが加わった2020年の日本では、市場からリセッションの懸念を疑われ、一時、およそ1年ぶりとなる112円台まで円安が進んだ。