上昇トレンドの相場で、価格が一時的に下がる局面のこと。ここで買いを入れることを、押し目買いという。英語では決まった表現はなく、Dip buyingとかBuy on reactionなどという。
押し目は、もともと株式相場で使われていた言葉で、株式相場では価格が下落することを「押す」と表現していた。現在では、商品やFXなど含めて、すべての相場で使用されている。押し目の逆を戻りという。
押し目は、利益確定の売りや、外的要因によるリスク回避などの売り圧力によって生じることが多い。そのため、上昇中の相場であれば、押し目は絶好の買い場となる。ただし、上昇トレンドであっても、押し目が増えていくたびにトレンドは弱まっていき、いずれ転換する。その転換地点を押し目と勘違いすると、大変な目に遭う。投資家は、押し目をしっかり判断するために、移動平均線などのテクニカル指標を駆使している。
押し目の度合いが大きく、はっきり下降トレンドに移行したとわかった局面では、押し目とは言わず「深押し」と表現することもある。
また、「押し目待ちに押し目なし」という格言もある通り、強い上昇相場では押し目自体が発生せず、一気に駆け上がっていくことも多々ある。