政策金利ではなく、資金供給量を調整する金融緩和政策のこと。中央銀行が国債などを購入し、その対価として支払われるお金が世間に出回ることで、お金の供給量が増える。国債が大量に買われるので、国債の価格は上昇し、国債の利回りは低下する。その結果、住宅ローンなどのさまざまな金利も低下することになり、景気が刺激される。
英語で「Quantitative Easing」と表記するので、QEと略されることもある。
一般的に、政策金利を下げれば景気刺激策として有効とされるが、デフレが進行しすぎると、いくら政策金利を下げても効果が表れにくくなる。そのため、政策金利の操作による金融緩和政策ではおいつかなくなり、量的緩和に踏み切るのである。
日本では、2001年から5年間実施しており、その後、リーマンショックの影響による不況回避のため、各国の中央銀行でも導入された。
日本においては、2013年に「異次元緩和」と呼ばれる量的・質的金融緩和が行われている。しかし、国債の大量償還による国債買い入れ額が減少するなど、不協和音が聞こえ始めているとの声もある。
日本以外でも、アメリカでは2010年に信用緩和(credit easing)と呼ぶ金融緩和政策が行われた。これは呼び名が違うだけで、内実は量的緩和と同じである。