日本語に訳すと「放物線」。アメリカのJ.W.ワイルダー氏によって考案されたテクニカル分析で、値動きが勢いを次第に弱くし、やがて転換点を迎えるという前提で作られている。パラボリックの転換点を「SAR(STOP AND REVERSE)」といい、それをつないで放物線状のチャートを描き出す。「ストップ」は買い建て玉、売り建て玉を決済することで、「リバース」は建玉を反対にすることを意味する。
計算式は、次の通り。
当日SAR=前日SAR+加速因数×(新値-前日SAR)
新値:上昇相場の新高値、下降相場の新安値
加速因数:初期値0.02とし、終値が高値を更新するたびに0.02ずつ加算されていく。上限0.2。
通常、ローソク足がSARの上にあると上昇相場、下にあると下降相場を示唆している。基本的に、上昇相場でローソク足がSARを下に抜けると売りサイン、下降相場でローソク足がSARを上に抜けると買いサインになる。
パラボリックは上昇、下降いずれか一方向に強い相場のときには有効だが、ボックス相場では頻繁にダマシが入るようになる。ワイルダー氏によると、DMIのADXを併用し、トレンドが確実に認識できる局面で使用するのが有効であるという。DMIのADX は、3つの指数で構成される。ADXは、上昇・下降の区別なく、どちらかのトレンドがあるときに上昇するもので、下降しているときは保ち合い相場であることを示す。