中央銀行が、景気を刺激するためにとる金融政策。具体的には、短期金利の誘導目標を引き下げ、市中への資金供給量を増やす。金利を下げることで、企業や個人がお金を借りやすい状況を作り出し、景気を回復させようとするのである。
しかし、この金融緩和策を続けていると、いずれ限界が来る。日本などの先進国の中には、もうこれ以上金利を引き下げることができない国もあり、金利を引き下げる金融緩和は行えなくなってしまった。そのため、現在は国債などを市場から買い上げ、お金を市場に流入させたりする、量的金融緩和を行っている。
日本では、デフレ脱却を目指して、2020年現在も大規模な金融緩和策を続けている。長期金利が0%程度で推移するよう大量の国債を買い入れ、短期金利はマイナス金利を維持している。
金融緩和策は、時の政権が勝手に行えないよう、独立性を保った中央銀行が主導することになっている。ただ、国の経済事情は政府からも中央銀行から見ても、その問題点はさして変わらないので、両者の思惑が一致することはままある。