国際通貨の中で中心となる通貨で、国際金融取引や為替で基準として採用される。key currency、international currencyという。
国際経済をリードする国家の貨幣が基軸通貨になることが多く、1920年代まではイギリスポンドが基軸通貨だったが、第二次世界大戦以降はアメリカドルにとって代わられた。ただ、「基軸通貨は○○にする」と誰かが宣言されるわけではなく、通貨当局が対外準備資産として保有する準備通貨であることや、貿易や資本取引に広く使用される決済通貨である貨幣が、自然的に採用されることになる。
また、基軸通貨とは別に主要通貨と呼ばれる貨幣もある。それが、IMF（国際通貨基金）が融資を行うときなどに使用する国際準備資産（SDR）である。SDRには、アメリカドル以外にユーロ、日本円、イギリスポンド、人民元が採用されている。これらの中に、あるいは将来に基軸通貨として育つ可能性がある貨幣があるかもしれないが、アメリカドルの地位はしばらく揺るぎそうもない。
実際、2008年のリーマンショックの際に、一部で外貨準備におけるアメリカドルの保有率は下がったが、現在でもアメリカドルへの依存度はどの通貨より高くなっている。
