全米供給管理協会(ISM)が発表するアメリカの景況感を表す指数。Insitute Supply Managementの略で、製造業景況感指数と非製造業景況感指数の2つがある。ISMの前身であるNAPM(全米購買部協会National Association of Purchasing Management)が、1931年から発表していたNAPM指数を引き継いだものである。
ISM指数は、雇用統計と並んで、注目度が高い経済指標となっている。これは、ISM指数が経営者ではなく、各担当責任者を対象にアンケート調査がされているからだと言われている。
アメリカではさまざまな経済指標が発表されるが、ISM製造業景況感指数は、その中でも最も早い毎月第一営業日に発表される。第三営業日に発表されるISM非製造業景況感指数とともに、アメリカの景気先行指標である。
300社以上の製造業にアンケート調査を行い、各項目に「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の三択の回答を集計し、それを指数として算出している。
日本でいう日銀短観と同じような指標だが、日銀短観がプラス、マイナスで表されるのに対し、ISM指数はパーセンテージで表記される。50%を上回ると景気拡大、下回ると景気悪化を示すと言われている。とくに、43.3を割り込むとリセッション(景気後退局面)入りが疑われるようになる。
2020年のコロナショックでは、4月に49.1、5月には41.5にまで低下し、アメリカがリセッションに入りつつあるとされた。ISM指数は本来、景気動向を先行する指標だが、このときばかりはリセッションの速さに追いつけなかった。