International Monetary Fundの略で、国際通貨基金と訳す。1944年のブレトンウッズ協定に基づき、1946年に設立された、通貨の安定や国際金融秩序の安定などを目的とする国連の専門機関。各国の政策や経済、金融状況などを調査してレビューを行っている。また、国際収支が悪化した国に融資を行うなど、加盟国の経済状況を監視、支援を行っている。1997年のアジア通貨危機では、タイ、インドネシア、韓国に支援を実施している。
2019年9月現在、189か国が加盟しており、本部はアメリカのワシントンD.C.に置かれている。世界銀行とともに、国際金融秩序の根幹をなすと言われている。
毎年秋に、世界銀行と合同で年次総会が行われ、年に2回、国際通貨金融委員会が開催される。国際通貨金融委員会では「世界経済見通し」が発表され、IMFによる各国の成長予測などが併せて発表される。
IMFの世界経済の見通しや、関係者のコメントがあらゆる相場に影響を与えることもあり、常に注視しておく必要がある。世界経済見通しで、成長率が下方修正されれば、各国の株価の上値は重くなり、逆に上方修正されれば軽くなる。
他にも、各国の国際収支統計や金融統計、世界全体・主要国・新興国の外貨準備高の通貨構成統計などのレポートも出されており、いずれも相場の材料になりうることもあるので、IMFの発信する情報の重要度は高い。
