政治と地理的条件の関係や、その変化によって関連国の景気が悪化するリスクのこと。地政学(Geopolitics)は、地理(Geography)と政治(Politics)を組み合わせた造語で、20世紀初めに学問的に研究され始めた。投資の世界で地政学的リスクが言及されるようになったのは、2001年9月にアメリカで起こった同時多発テロ事件をきっかけにする。翌2002年9月に、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)がこの言葉を使ったことで、世界的な認知を得るに至った。
地政学的リスクの最たるものは戦争だが、それ以外にも中東の紛争問題、北朝鮮のミサイル発射実験や、ロシアの軍事的侵攻、ブレグジットによるEUの亀裂なども、地政学的リスクと言える。
また、米中貿易摩擦や中国やロシアなどのサイバーテロなど、特定の国と国の間にも地政学的リスクを認める場合がある。
ちなみに、特定の国の政情不安や経済リスクはカントリーリスクと呼ばれて区別されるのが一般的だが、最近ではそれらも含めて地政学的リスクと呼ぶこともある。
現在では、地政学的リスクが世界経済、金融市場の最大の懸念ともいわれる。