2008年9月、アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Hoilding Inc.)の経営破綻に端を発した、世界規模の金融危機の総称。リーマンショックという呼び名は日本独自のもので、英語では単にthe financial crisis(金融危機)というだけで、たいていの場合はリーマンショックのことを指す。
リーマン・ブラザーズの破綻理由は、低所得者向けの高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きから信用不安に陥ったからだった。経営不安がささやかれ始めた当初は、アメリカ財務省やFRB、各国の金融機関が支援を表明したが、最終的には公的資金の注入も見送られ、負債総額6000億ドル(約72兆円)以上という巨額の損失を出して破綻した。
リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、対米の大手金融機関の経営危機が連鎖し、世界的な金融不安が深刻化する。各国は、資本注入や損失補償などの対策を行ったが、金融機能はマヒし、世界的な需要の蒸発が起こった。NYダウは、2007年の最高値から50%以上も下落し、日経平均に至っては60%以上も下げて10,000円を下回った。ドル/円も75円という大幅な円高相場となり、世界的な不況に陥った。
アメリカ、日本、イギリス、EUでは次々に量的緩和を行い、中国は4兆元(約60兆円)もの財政出動を行った。しかし、株価が回復するまでには1年以上の期間を要し、各国の金融緩和は2014年まで続いた(日本を除く)。
リーマンショック後、世界的に金融規制の強化が行われ、G7にBRICSなど新興国を加えたG20が行われるようになった。