European Central Bankの略で、欧州中央銀行のこと。ユーロに関する諸業務と、金融政策をリードするヨーロッパの中央銀行。ドイツのフランクフルトに本拠地を置き、EU(欧州連合)参加国が加盟している。金融政策は、ECB内に設置された政策理事会が策定する指針をもとに、役員会が具体的な指示を作成、それを各国中央銀行に伝えている。アメリカのFRBと同じような組織といえるが、FRBが「物価の安定」と「雇用の最大化」を目標に金融政策の調整を行っているのに対し、ECBは「物価の安定」を唯一の目標にしている。
中心国のドイツで、かつて第一次世界大戦後にハイパーインフレを経験しており、ほかの中央銀行よりインフレに対する警戒感が強い傾向にあると言われる。
ECBからの情報発信や、総裁の発言は相場に影響を与えることもある。たとえば、総裁が「インフレに対し強い警戒(strong vigilance)が必要だと述べれば、市場は利上げを先読みし、ユーロ相場が動くこともあるの。このように、ECB理事会の動向や、記者会見の質具応答などにも目を配ることが必要である。
また、ブレグジットによるイギリスのEU離脱に向けて、ECBはイングランド銀行(英中銀)と、通貨危機の際に自国通貨を融通しあう通貨スワップ協定を始動させた。