日本経済新聞が発表する、投資家の不安心理を視覚化したもの。新型コロナウィルスによるコロナショックから金融市場に不安感が広まったことで、その緊張感の高まりを表すために作成された。市場ストレスを低・中・高の3段階に分け、色分けによって視覚化しており、色が濃くなるほどに緊張感が高まっていることを示す。
発表される対象は、恐怖指数(VIX、日経平均、欧州株)、通貨オプション(ドル・円、ユーロ・ドル、新興国)、国債(米国、日本、ドイツ)、社債(米国、日本、欧州)、安全資産(ドル指数、ドル・円、ドル・スイスフラン)で、大きく分けて5つ、細かく分けると15個になる。
コロナショックのストレスが頂点に達したときには、恐怖指数と社債は軒並み緊張感が高まり、一方で安全資産や、日本とドイツの国債はストレス緩和の傾向が見られた。
市場ストレスマップは、アメリカのセントルイス地区連銀が公表している金融ストレス指数を参考に作られている。金融ストレス指数は、ゼロが通常の金融市場の状態を示し、数値が大きくなるほどに市場の緊張度が高まっていることになる。リーマンショックのときには、9.0を超えるほどの緊張感を経験し、2020年3月のコロナショックのときには、それまでマイナス水準で推移していたものが、一気に5.4まで上昇した。
市場ストレスマップは毎日発表されている。ただし、コロナショックが終息した後も発表を続けるかは未定となっている。