為替レートの急激な変動により、通貨の安定に危機感を覚えた当局が、外国為替市場で通貨間の売買を行うこと。正式名称は「外国為替平衡操作」といい、英語ではcurrency interventionという。為替介入の実施については、財務省が毎月公表する「外国為替平衡操作の実施状況」で確認することができる。
為替介入の手法には、ある国が単独で為替を売買する単独介入と、いくつかの国の中央銀行が同時に介入する協調介入がある。単独介入より、協調介入の方が効果が大きい。日本では、財務省及び日本銀行が行う。
為替介入では、たいていの場合はあらかじめ為替介入するというアナウンスが行われる。こうすることで、介入する前から市場にインパクトを与え、実際に介入したときの効果を高めるのである。
また、当局が極秘のうちに介入する「覆面介入」と呼ばれるものがある。覆面介入の場合は、実施の公表はされない。この介入がされるのは、アナウンスすることによって金額や時期が明らかになることで、「介入しているのに大した効果がないなぁ」と市場に思われることを嫌うときである。そして、あとから介入をアナウンスすることで、いつ介入が行われるかわからないという警戒感を高める狙いがある。
他にも、実際には売買を行わず、アナウンスをするだけの「口先介入」もある。これは、何度も繰り返すことで効果を薄めてしまうので、当局も時期を判断して行うことが多い。