円クロス、クロス・円レートともいい、FXにおけるアメリカドル以外の外国通貨における対円の為替レートのこと。アメリカドルが基軸通貨であるため、アメリカドル以外の通貨と円を取引する場合、まず円でアメリカドルを買い、アメリカドルでその通貨を買うことになる。その中間の手間を省くために、クロス円でレートを表示するようになっている。EUR/JPY(ユーロ円)や、GBP/JPY(ポンド円)などが、クロス円である。アメリカドルを含む通貨ペアは、ドルストレートと呼ばれる。
クロス円は為替レートではあるものの、それが独立した価格ではない。ドル円とドルストレートを掛け算(または割り算)したレートであり、クロス円の流動性は小さい。つまり、どちらかというと投機に近いといわれる。
たとえば、ユーロドルが上昇し、ドル円が下落する局面でクロス円がどう動くかというと、クロス円もドルにつられて一緒に下落するというわけではない。クロス円が下落するのは、円高が原因でドル円が下落した場合である。一方、クロス円が上昇するのは、ユーロ高が原因でドル円が下落したと考えられる。また、ドル安が原因のときには、クロス円はあまり動かないことが多い。このように、クロス円のチャートを使って為替の方向性を確認することもできる。