ある対象に対して、金銭的、時間的、精神的投資をし続けることが損失につながることをわかっていながら、それまで費やした投資を惜しみ、投資をやめられない心理状態のこと。英語では「Concorde fallancy」といい、直訳すると「コンコルドの誤り」となり、コンコルド誤謬、コンコルド錯誤と呼ばれることもある。また、埋没費用効果(sunk cost effect)ともいう。
1960年代に、英仏で共同開発された超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。コンコルドの開発当初は、画期的な旅客機として将来を嘱望されて多くの受注を勝ち取ったが、燃費の悪さや、維持費が高いわりに搭乗人数が100名足らずでコストパフォーマンスが悪いなどといった理由からキャンセルが相次ぎ、このまま開発を続けても、利益を出すどころかもはや開発費の改修も望めないところまで追いつめられてしまった。しかし、これまで費やした予算や時間が惜しく、結局、大赤字を出してプロジェクトは失敗に終わった。
投資の世界では、損切りができない人の心理状態を指すことが多い。かつては、コンコルド効果を利用した悪質な営業が蔓延していたこともある。とくに、現物を持たない先物取引では、損失を先延ばしにする両建て(買いで損失が発生していたら、同じ商品を売ることで損失を相殺する手法)が頻繁に行われていたが、情報が発達した現在では、ほぼ見られなくなった。