スイスの通貨単位で、国際決済通貨のひとつである。スイス連邦が成立した1848年に通貨統合が行われ、1850年にスイスフランが制定された。
スイスはEUにも参加せず、永世中立国を保っており、国際金融市場ではもっとも安定した国際通貨とも言われ、有事や金融危機などではフラン相場は上昇する。とくに、地政学的リスクが高まると上昇する傾向にある。日本円とともに、有事のスイス買いと呼ばれるほど、世界的リスクに強い通貨である。
スイス中央銀行は為替介入をたびたび行い、スイスフラン安に誘導しているが、2015年1月のスイスショックでは介入を断念し、スイスフランの急騰を招いたこともある。しかし、その後も為替介入は断続的に行われ、それ以降は比較的安定した動きを続けている。
現在、スイス中央銀行はマイナス0.75%のマイナス金利政策を継続している。これも、スイスフランが過大評価されており、フラン高が物価安定に影響を及ぼすという懸念があるからだという。しかし、スイス国内メディアでは「懲罰金利」と呼ばれ、反対派の声も高まっている。
2020年3月のコロナショックの際には、フラン円相場は前月114.03円から、一時109円台まで急騰している。
