カナダの通貨で、Canadian Dollarと書くので、CADと略される。
カナダは、先進国で最大の原油輸出国であり、天然ガスや石炭などのエネルギー関連の輸出が、全体の3割を占めている。そのため、カナダドルは原油相場の動きに左右されやすい。
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大で原油の需要が減少し、さらにOPEC（石油輸出国機構）の加盟、非加盟の主要産油国による減産協議が決裂したことで、原油価格は年初のほぼ半額となる1バレル＝30ドルとなった。そして、カナダドル/円も、年初に84円台だったものが、石油価格の下落とともに74円台まで下落した。
また、カナダは英連邦の一員ではあるものの、地理的関係からアメリカとの経済的な結びつきが強い。とくに自動車産業に強く、アメリカへの輸出が全体の約8割を占めている。
金融政策においても、アメリカのFRB（連邦準備制度理事会）の発表に追随することが多く、経済的にはアメリカの影響を受けやく、為替相場も、アメリカドルと連動しやすい。
アメリカでサブプライム危機が起こった際、2008年7月に原油価格が上昇した局面では、アメリカドルに引っ張られて、対円で大幅に売り込まれたこともあった。
