1980年代前半、アメリカの投資家ジョン・ボリンジャーによって考案されたトレンド系のテクニカル分析。ボリンジャーバンドは移動平均線を利用したもので、相場の変動は移動平均線を中心とする変動幅に収まる確率が高いということを前提にされている。大きな相場であれば、次につける価格は直前の価格から離れて決まり、保ち合い相場なら同じような価格に決まるだろうと予想される。つまり、次の価格の変動範囲を過去の価格から予想する手法である。
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で構成され、移動平均線の上下に値動きの幅(ボラティリティ)を示す線が加わっている。もともとは統計学で使われていた手法(18世紀にフランスの数学者ド・モアブルが発見)を、ボリンジャーが相場テクニックに応用した。
標準偏差の単位であるσ(シグマ)を用いて、ボリンジャーバンドが描くラインを1σと呼ぶ。ボリンジャーバンドでは、アッパーバンド2(2σのライン)、アッパーバンド1(1σのライン)、ミッドバンド(移動平均線)、ロワーバンド1(-1σのライン)、ロワーバンド2(-2σのライン)の5本を使う。
下部バンドをサポートライン、上部バンドをレジスタンスラインとし、価格が下部バンドを下に抜けると買い、上部バンドを上に抜ければ売りとなる。
しかし、ボリンジャー自身は、価格が上部バンドを上に抜けたときは新しい上昇トレンドが発生したと考えて買い、下部バンドを下に抜ければ下降トレンド発生として売りに動くことを推奨している。