Bank of Englandの略で、イギリス中央銀行のこと。1694年に設立され、スウェーデン国立銀行（前身ストックホルム銀行）に次ぐ古い歴史を持つ。株式組織の銀行としては、世界初。産業革命を終えたイギリスの繁栄に併せ、世界金融の中心として存在していたが、第二次世界大戦後に国有化され、1997年に金融政策の決定権限を与えられて独立性を高め、現在はシティ・オブ・ロンドンに本店を構え、イギリス通貨のポンドの発券銀行として活動している。
BOEの主な役目として、物価安定の維持とイギリス政府の経済政策支援の遂行、外国為替と金準備の管理などがあげられる。金融政策委員会が開催され、そこで政策金利などが決定されるため、市場参加者はBOEの動向を注視している。
FX市場では、政策金利や委員会の議事録はもちろん、四半期に一度発表されるインフレレポートの結果も注目される。2019年には、BOE総裁の記者会見の音声データが、公式提供より数秒早く不正提供されたことが問題になるなど、その重要性がわかる。
イギリスのEU離脱（ブレグジット）に関して、BOEは当初、合意なき離脱は最悪のシナリオを招くというレポートを発表していたが、その後、準備が整ったためイギリス経済への影響は深刻にはならないと、発言を方向転換させている。
