アメリカ大統領選は4年に一度行われる。全米各州で民主党と共和党の各政党別に行われる予備選挙と、11月に行われる本選挙に分かれている。本選挙では、有権者が自分の支持する大統領候補に投票すると誓約している「選挙人」を選び、その選挙人投票で過半数270票以上を獲得した候補者が、大統領に選出される。
2016年のアメリカ大統領選は、民主党のヒラリー・クリントン氏と、共和党のドナルド・トランプ氏の戦いとなり、歴史的な一戦となった。史上初となる女性大統領を目指すクリントン氏と、公職経験ゼロの実業家トランプ氏の争いは、当初、両者の支持率はクリントン氏53.3%、トランプ氏33.7%と大差がついていたが、選挙戦が進むにつれて差は縮まり、最終的には46.8%対43.6%と、どちらが勝ってもおかしくない情勢となった。
この大統領選がこれまでと違ったのは、党対党ではなく個人対個人の争いを呈していたことである。クリントン氏は、弱者救済を行う民主党の立場と異にした保守的なタイプで、むしろ共和党に近い。対するトランプ氏は、保守的な共和党の考えを持たない急進派で、むしろ民主党に近かった。
両者の争いは、出口調査では圧倒的にクリントン氏有利の予想だったが、蓋を開けてみると勝者はトランプ氏だった。一般投票数ではクリントン氏に軍配が上がったが、選挙人投票でトランプ氏が過半数を確保したのである。
この結果が相場にどう反映したかというと、NYダウは245ドル高、日経平均は919円安となった。ドル円は、わずか1ヶ月で101円台から115円台まで円安(ドル高)へ進んだ。