目次
おすすめ通貨ペアで取引を始めたい人向けのFX会社
上記の4通貨ペアの取り扱いがあり、スプレッド、スワップポイント等において好条件がそろっているFX会社を紹介します。
上記以外の項目でもFX口座を比較したい人は、「FXのおすすめ口座比較ランキング!3,000人調査でわかった初心者向けのFX口座とは」も参考にしてみてください。
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スプレッドが狭く、総合力が高い | 公式サイト |
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高金利通貨のスワップポイントが業界最高水準 | 公式サイト |
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業界最狭水準のスプレッドを誇り、1通貨単位から取引可能 | 公式サイト |
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取引通貨数は54。様々なトレードスタイルに対応可能 | 公式サイト |
FX取引における通貨ペアとは?一覧を紹介
そもそもFX取引における通貨ペアとは何でしょうか。「どれを選べばいいの?」の前に、まずは通貨ペアの基礎知識について把握しておきましょう。
通貨ペアの仕組みとは?2つの通貨の組み合わせが売買対象
FXは、通貨を買ったり売ったりして利益を積み重ねていくことを目指す投資方法で、トレードする際は必ず2つの通貨が登場します。その売買する2つの国の通貨の組み合わせのことを「通貨ペア」と呼びます。

通貨ペアの表記は、例えば米国の法定通貨である米ドルと日本の法定通貨である円の組み合わせであれば、「米ドル/円」となります。
左側に表示されるのが「取引通貨」で、右側に表示されるのが「決済通貨」です。中央に「/(スラッシュ)」を入れるのが一般的ですが、省略されて「米ドル円」と表記される場合もあります。
また、通貨の名称は日本語ではなく「USD(米ドル)」「JPY(日本円)」「EUR(ユーロ)」「GBP(英ポンド)」「AUD(豪ドル)」というように、アルファベット3文字で表記されることもあります。その場合の通貨ペア名は「USD/JPY」「EUR/USD」などとなります。

左側の取引通貨が「買い」「売り」の対象となり、取引はこれを基準に考えます。取引通貨を決済通貨で売り買いするという仕組みです。
例えば、米ドル/円を買うというのは「米ドルを買って円を売る」、米ドル/円を売るというのは「米ドルを売って円を買う」取引です。取引通貨1単位に対して右側の決済通貨ではいくらになるかを表します。
メジャー通貨とマイナー通貨
FXで取引される通貨は、大まかにメジャー通貨とマイナー通貨に分類できます。外国為替市場において取引量が多い(流動性が高い)通貨をメジャー通貨、反対に取引量が少ない(流動性が低い)通貨をマイナー通貨と呼びます。
世界の通貨ごとの取引量

出典:BIS「Foreign exchange market turnover by currency and currency pairs 」
一般的には、基軸通貨(国際取引の決済手段として幅広く使用される通貨)であるUSD(米ドル)を筆頭に、EUR(ユーロ)、JPY(円)、GBP(英ポンド)、AUD(豪ドル)、NZD(NZドル)、CAD(カナダドル)、CHF(スイスフラン)の8通貨がメジャー通貨、それ以外がマイナー通貨とされています。
メジャー通貨 | USD(米ドル)、 EUR(ユーロ)、 JPY(円)、 GBP(英ポンド)、 AUD(豪ドル)、 NZD(NZドル)、 CAD(カナダドル)、 CHF(スイスフラン) |
---|---|
マイナー通貨 | 上記以外の通貨 |
FXトレーダーになじみのあるマイナー通貨としては、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソといった新興国通貨が挙げられます。
おもにFX会社では、メジャー通貨どうしの組み合わせ、またはメジャー通貨とマイナー通貨の組み合わせの通貨ペアを取引できるようになっています。
クロス円(クロス通貨)とドルストレート
通貨ペアにはいろいろな組み合わせがありますが、「クロス円」「ドルストレート」「それ以外」に分類するとわかりやすいです。
クロス円

通貨ペアのうち、米ドル以外の通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアのことを「クロス円」といいます。「ユーロ/円」「英ポンド/円」「NZドル/円」「スイスフラン/円」「トルコリラ/円」などです。クロス円は、クロス通貨と呼ばれる場合もあります。
なぜ“クロス”という呼び方をするかというと、米ドル以外の通貨と日本円は直接取引されるのではなく、間に米ドルを介したクロス取引を行うことが多いからです。
クロス円では2つの通貨が直接取引されているように見えますが、厳密に言えば「円で米ドルを買い、その米ドルで他通貨を買う」といった2つの取引が発生しています。
ドルストレート

ドルストレートとは、米ドルと他通貨を組み合わせた通貨ペアのことです。「ユーロ/米ドル」「豪ドル/米ドル」「英ポンド/米ドル」「米ドル/スイスフラン」「米ドル/メキシコペソ」などが挙げられます。
米ドル/円は、米ドルとの通貨ペアなので正式にはドルストレートに分類されます。
それ以外の通貨ペア

クロス円にもドルストレートにも属さない通貨ペアもあります。「ユーロ/英ポンド」「ユーロ/豪ドル」「英ポンド/スイスフラン」「豪ドル/NZドル」などがその代表例です。
取引できる通貨ペアの種類はFX会社によって異なる
FXは、さまざまな通貨ペアを取引できるのが魅力の1つです。
メジャー通貨どうしの通貨ペアはほとんどのFX会社で取引することができますが、マイナー通貨を含む通貨ペアに関してはFX会社によって扱いが異なります。
メジャー通貨ペアをメインとしたラインナップのFX会社もあれば、超マイナーな通貨ペアまで豊富に取りそろえているFX会社もあります。
主要FX会社の取り扱い通貨ペア数については、下記を参考にしてください。
主要FX会社の通貨ペア数
DMM FX | 21通貨ペア | みんなのFX | 34通貨ペア |
---|---|---|---|
GMO外貨 | 24通貨ペア | LIGHT FX | 29通貨ペア |
GMOクリック証券 | 20通貨ペア | インヴァスト証券 | 17(24)通貨ペア |
SBI FXトレード | 34通貨ペア | 外為オンライン | 26通貨ペア |
外為どっとコム | 30通貨ペア | マネーパートナーズ | 21(28)通貨ペア |
ヒロセ通商 | 54通貨ペア | FXブロードネット | 24通貨ペア |
LINE FX | 23通貨ペア | IG証券 | 99通貨ペア |
*2021年9月時点
通貨ペアの並び順
FXで用いられる主要通貨ペアは、並び順が決まっていることをご存じですか?
外国為替市場の慣習で、メジャー通貨どうしの通貨ペアを表示する際は1.EUR(ユーロ)2.GBP(英ポンド)3.AUD(豪ドル)4.NZD(NZドル)5.USD(米ドル)6.CAD(カナダドル)7.CHF(スイスフラン)8.JPY(円)の序列で並べられます。

米ドルと日本円の通貨ペアが、「円/米ドル」「JPY/USD」ではなく「米ドル/円」「USD/JPY」と表示されるのはそのためです。
通貨の強弱や国の大きさなどは関係ないのですが、JPY(円)は序列がもっとも低く、いつも右側に表示されます。
FXの通貨ペアでは、序列の高い通貨を優先的に取引通貨側(左側)に配置するという、世界共通のルールがあることを覚えておきましょう。
FX初心者向け|通貨ペアの選び方を3つ紹介
通貨ペアの基本を理解したところで、FX初心者が通貨ペアを選ぶ際に押さえておくべき3つのポイントを詳しく見ていきます。
取引量
通貨ペア選びでまず注目したいのが、取引量です。というのも、取引量の多寡によって値動きの傾向やスプレッドが変わってくるからです。
取引量の多い(流動性が高い)メジャー通貨どうしの通貨ペアは、値動きが比較的穏やかで、急激な価格変動が起こることはそれほど多くありません。
それとは対照的に、取引量の少ない(流動性の低い)マイナー通貨を含む通貨ペアは値動きが荒くなりやすく、急激な価格変動が起こることがあります。

国際決済銀行(BIS)が2019年に発表した通貨ペア別の取引量(抜粋してグラフ作成)を見ると、もっとも取引量が多いのは「ユーロ/米ドル」で、次いで「米ドル/円」となっています。「ユーロ/米ドル」と「米ドル/円」はどちらも値動きが緩やかなので、FX初心者であっても取引しやすい通貨ペアといえるでしょう。
スプレッド
FX取引を行う際、スプレッドと呼ばれる実質的なコストが発生しますが、その価格は通貨ペアによって大きく異なります。
スプレッドとは通貨ペアの買値と売値の差のことで、一般的にその差が大きくてコストが高いことを「スプレッドが広い」、反対にその差が小さくてコストが安いことを「スプレッドが狭い」と表現します。

トレーダーにとってスプレッドは当然狭い方がよいのですが、人気も知名度も低く取引量が極端に少ないマニアックな通貨ペアは、スプレッドが広く設定されていることが多く注意が必要です。
例えば、メジャー通貨どうしの「米ドル/円」のスプレッドは取引1回あたり0.1~0.3銭程度(1ドル=110円とすると、取引金額のうちスプレッドが占めた割合は0.001~0.003%程度)ですが、ノルウェークローネと日本円の組み合わせである「ノルウェークローネ/円」のスプレッドは2.0~4.0銭程度(1ノルウェークローネ=13円とすると、取引金額のうちスプレッドが占める割合は0.15%~0.31%程度)となっています。
一度の取引では大したコストに感じないかもしれませんが、ちりも積もれば山となるため軽視できません。
<メジャー通貨どうしの通貨ペアのスプレッド事例>
通貨ペア | スプレッド | コスト比率* |
---|---|---|
米ドル/円 | 0.1~0.3銭程度 | 0.001~0.003%程度 |
ユーロ/円 | 0.4~0.5銭程度 | 0.003~0.004%程度 |
ユーロ/米ドル | 0.3~0.4pips程度 | 0.003~0.004%程度 |
*取引金額のうちスプレッド(コスト)が占める割合
<マイナー通貨を含むの通貨ペアのスプレッド事例>
通貨ペア | スプレッド | コスト比率* |
---|---|---|
トルコリラ/円 | 1.5~1.7銭程度 | 0.12~0.14%程度 |
ノルウェークローネ/円 | 2.0~4.0銭程度 | 0.15~0.31%程度 |
ブラジルレアル/円 | 5~50銭程度 | 0.25~2.45%程度 |
*取引金額のうちスプレッド(コスト)が占める割合
基本的に、メジャー通貨どうしの通貨ペアはスプレッドが狭く、マイナー通貨を含む通貨ペアはスプレッドが広いことを覚えておきましょう。
スワップポイント
FXの魅力の1つであるスワップポイントも、通貨ペアによって異なります。スワップポイントとは、ポジションを保有して翌営業日を迎えると発生する2ヵ国間の金利差調整額のことです。
基本的に、金利が高い国の通貨を買って金利が低い国の通貨を売ればスワップポイントを受け取ることができ、反対に金利が高い国の通貨を売って金利が低い国の通貨を買うと支払うことになります。

例えば「米ドル/円」の場合、日本よりも米国の方が高金利なので、買いポジションをもつとプラススワップに、売りポジションをもつとマイナススワップになります。
ちなみに、通貨ペアによってはマイナススワップが大きいものや、買いスワップも売りスワップもマイナスのもの(買いでも売りでも支払いになってしまうもの)もあるので注意が必要です。
スワップポイント狙いのおすすめ通貨ペア
世界各国の金利情勢や通貨の価格動向などは日々変化していて、それにともなってスワップポイント運用で狙い目となる通貨ペアも変わります。
2023年1月現在、日本は世界でも珍しいマイナス金利国となっているため、「日本円が絡んだ通貨ペア」であれば基本的にどれを選んでもスワップポイントを受け取ることができます(買いポジションを持った場合)。
しかしスワップ狙いの運用として有名なのは、やはりトルコリラや南アフリカランド、メキシコペソといった金利の高い新興国通貨を見ることになるでしょう。2023年4月時点の政策金利は、トルコリラが「9.0%」、南アフリカランドが「7.25%」、メキシコペソが「11.0%」となっています。
ただし価格変動リスクを考慮すると、2015年以降長期的に下落トレンドが継続している「トルコリラ/円」はあまりおすすめできません。
政治リスクや財政リスクはありますが、値動きが比較的安定している「メキシコペソ/円」、スワップポイントが高めに設定されている「南アフリカランド/円」あたりが狙い目になるかもしれません。
おすすめの通貨ペア|FXトレーダーに人気の通貨ペア
続いて、人気のあるFX取引の代表的な通貨ペアの月足チャートを紹介します。通貨ペアにはそれぞれ特徴があり、それをきちんと把握したうえで取引を行うことが大切です。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)

取引シェア1位の米ドルと2位のユーロを組み合わせたメジャー通貨どうしの通貨ペア。日本人にはあまりなじみがないかもしれませんが、「ユーロ/米ドル」は世界でもっとも取引されている通貨ペアです。
基軸通貨である米ドルは、国際的な金融取引や貿易の決済などに広く使用されています。非常に流動性が高い通貨で、ボラティリティ(価格変動率)は比較的小さいといえます。
一方、ユーロはユーロ圏で使用されている通貨で、米ドル同様に国際通貨としての性質を持ち合わせています。そのような背景もあり、米ドルに悪材料が出るとユーロが買われやすい傾向があります。
これら2大通貨を組み合わせた「ユーロ/米ドル」は、圧倒的な取引量があるので値動きは比較的緩やか。「米ドル/円」よりもトレンドが出やすく、いったんトレンドが発生すると長く継続することもあります。
また、流動性が高いことからスプレッドが狭いのも特徴です。比較的低コストで取引できるので、売買回数が多くなりがちな短期のトレードにも向いている通貨ペアといえます。
なお、値動きが活発化するのは日本時間の16時(冬時間は17時)ごろからと、21時30分(冬時間は22時30分)ごろから。前者がロンドン市場、後者がニューヨーク市場のオープン時間のためです。
米ドル/円(USD/JPY)

「米ドル/円」は、米ドルと日本円を組み合わせたメジャー通貨どうしの通貨ペアで、日本人にもっともなじみのある通貨ペアといえるでしょう。
我々日本人はふだんから円を使っていることから、「米ドル/円」の取引はイメージしやすく、損益や証拠金などの計算もわかりやすいのもポイントです。
日本円は逃避通貨になることがあり、世界が不況になり市場に不透明感が広がる(いわゆるリスクオフ局面になる)と買われ、円高になる傾向があります。反対に、市場が安定している局面(リスクオン局面)ではリスク選好の動きとなり、円は売られて円安傾向となることが多いです。
流動性が高く値動きは緩やかで取引しやすいですが、「ユーロ/米ドル」に比べトレンドが出にくく、1日の値幅も狭いので大きな利益を獲得するのは難しいといえるでしょう。
日本時間の16時(冬時間は17時)ごろから本格的に取引量が増え始め、ニューヨーク市場がオープンする21時30分(冬時間は22時30分)ごろから取引がもっとも活発化する傾向にあります。
他の通貨ペアに比べて取引の参考になる情報を手に入れやすいうえ、ほとんどのFX会社でスプレッドが非常に狭くなっていることから、「米ドル/円」は初心者にも取引しやすい通貨ペアといえるでしょう。
豪ドル/円(AUD/JPY)

「豪ドル/円」は、オーストラリアの豪ドルと日本円を組み合わせたメジャー通貨どうしの通貨ペアです。
豪ドルはかつて高金利通貨の代名詞といわれるほど人気の通貨でしたが、政策金利は2008年の7.25%をピークに徐々に引き下げられていき、今や1.35%となっており、スワップポイント狙いで取引するには厳しい状況です。
とはいえ、オーストラリアは経済的にも政治的にも不安要素が比較的少ない国といえるでしょう。
石炭や鉄鉱石、天然ガスなど豊富な天然資源に恵まれていて輸出取引が活発で、値動きが安定していることから依然人気を集めています。「米ドル/円」よりも少ない証拠金で取引できるのも人気の理由の1つです。
資源価格に変動があると、豪ドルはその動きに合わせるように売買が活発に行われる傾向があります。また、中国への輸出依存度が高いオーストラリアは、中国経済との結びつきが非常に強いのも大きな特徴です。
そのため「豪ドル/円」は資源価格や中国経済の影響を受けやすく、特に中国関連の経済指標が発表された際に変動することが多いです。中国の経済指標がよければプラス材料に、反対に悪ければマイナス材料になります。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)

「英ポンド/米ドル」は、英国のポンドと米ドルを組み合わせたメジャー通貨どうしの通貨ペアで、世界取引量ランキングで3位にランクインしています(2019年時点)。
ユーロや円に比べると流動性が低いため投機の対象になりやすく、値動きが荒くなる傾向があります。このボラティリティの高さが英ポンドの魅力であり、リスクでもあります。
「英ポンド/米ドル」が活発に動き出すのは、欧州勢が参加してくる日本時間の16時(冬時間は17時)ごろ。この時間帯はボラティリティが急速に高まり、突発的に大きく動く場合もあるので注意が必要です。
短時間で大きな利益を得られる可能性がある反面、大きな損失を被る可能性もあります。「英ポンド/米ドル」を取引する際は、「損切りを入れる」「取引数量を少なめにする」などリスク管理を徹底する必要があるでしょう。
スプレッドに関しては、「ユーロ/米ドル」や「米ドル/円」に比べやや広めですが、その分ボラティリティが高いのでスキャルピング*やデイトレードといった短期売買に向いている通貨ペアといえます。
*数秒や数分単位で売買を繰り返し、小さな利益を積み重ねていくFXの手法の1つです。
どの通貨ペアを選んだらいい?
通貨ペアの主役は、時間帯、時期、ファンダメンタルズなどによって移り変わるため、そのときそのときで状況にマッチした通貨ペアを選ぶ必要があります。ここからは、トレードに適した通貨ペアを見つける方法を紹介します。
日足チャートを比較してトレンドの有無をチェック
為替相場は24時間動き続けており、通貨ペアによって活発に取引される時間帯が異なります。また取引される量も大きく違うので、トレンドを形成するタイミングもそれぞれバラバラです。
そこで実践したいのが、チャートの比較です。複数通貨ペアの日足チャートを比較することで、トレンドが出ている通貨ペアがわかります。
例えば、こちらは2020年の「米ドル/円」(白と黒のローソク足)と「ユーロ/米ドル」(緑と赤のローソク足)の日足チャートを重ねたものです。

注目したいのは、チャート中央から右にかけての7月以降の値動きで、「米ドル/円」はほぼ横ばい推移で大きな動きがないのに対し、「ユーロ/米ドル」は2回ほど上昇トレンドが発生していることがわかります。
このように同じ時期、同じ時間足のチャートを比較してトレンドの有無を見極めるようにしましょう。
最強通貨と最弱通貨の通貨ペアをチェック
続いて紹介するのは、通貨の強弱をチェックして通貨ペアを選ぶアイデアです。FX会社によっては、通貨ごとの強弱を可視化できるツールを提供しているところがあるので、そのようなツールを利用します。
ここでは「みんなのFX」の「通貨強弱」というツールを例に解説します。
みんなのFX「通貨強弱」

使い方はいたってシンプルで、最強通貨(一番上に表示されている通貨)と最弱通貨(一番下に表示されている通貨)の組み合わせからなる通貨ペアを選ぶだけです。
この画像ではユーロが最強通貨、英ポンドが最弱通貨なので、その2つを組み合わせた「ユーロ/英ポンド」が狙い目の通貨ペア。最弱通貨を買って最弱通貨を売る、つまり「ユーロ/英ポンド」を買うことで利益を狙うという作戦が立ちます。今後も、この状況が継続すると判断した場合に取り組む戦略です。
このときの「ユーロ/英ポンド」のチャートをチェックすると、上昇トレンドの発生が確認できます。

買い目線で押し目を拾っていく(一時的な下落で買いを入れる)戦略が有効であったことがわかります。
特定の時間帯をチェック
FXでは特定の時間帯、イベントで注目される通貨ペアがあります。例えば、「米ドル/円」や「英ポンド/米ドル」です。
米ドル/円 5分足チャート

「米ドル/円」は日本時間の午前中に動きやすい特徴があります。
これは仲値(金融機関がその日に提示する為替レート)が決まる9時55分前後に、銀行や実需筋(輸出入業者等)による取引が活発に行われるためです。
特に、ゴトー日(毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日もしくは末日)はその傾向が顕著で、仲値に向けて「米ドル/円」は上昇しやすいといわれています。
英ポンド/米ドル 5分足チャート

「英ポンド/米ドルは」は、日本時間24時(冬時間は25時)前後に値動きが活発化する傾向があります。
この時間帯は日本の仲値に相当するロンドンフィキシングがあるためで、実需筋や機関投資家などによって大口取引が頻繁に行われることから、値動きが激しくなり、方向性が大きく変わることも少なくありません。
ファンダメンタルズやイベントで主役となる通貨をチェック
ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)やイベントで特定の通貨、通貨ペアが注目され、大きなトレンドを形成することがあります。
例えば、2016年には英国のEU離脱(ブレグジット)の関係で英ポンドが大きな注目を集めました。この年は6月23日に英国でEU離脱の是非を問う国民投票が行われたのですが、その結果、離脱支持の勝利となり、翌24日に英ポンドが大暴落しました。
英ポンド/円 日足チャート

こちらはそのときの英ポンド/円の日足チャートです。6月24日に約27円もの大暴落を見せると、その後も英ポンド/円は乱高下が続きました。そして、10月7日に底値をつけると年末にかけて今度は上昇トレンドとなったのです。
このようにファンダメンタルズやイベントで主役となる通貨は、世界中の投資家から注目され、大きなトレンドが発生することがあります。 通貨ペアを選ぶうえでは、世界各国の金融政策や経済状況、政治状況などファンダメンタルズやイベントを意識することも重要といえます。
通貨ペア選びのよくあるQ&A
最後に、通貨ペアに関する「よくある疑問」を解決しますので参考にしてください。
通貨ペアは一つに絞り込んだ方がいい?
すでにFXで取引が軌道にのっている方に話を聞くと「最初はあれこれ手を出すより1つを極めろ」という人もいれば、「取引機会を増やすために通貨ペアをいろいろ監視した方がよい」という人もいます。
つまり、どれくらいの数の通貨ペアを取引するかは結局のところ人それぞれ。「万人に共通する正解」は存在しないのです。
無理に一つに絞り込む必要はないし、通貨ペア数が多ければ多いほどトレードの幅は広がるものの、その分管理の手間も増えます。自分の投資スタイルには何が合っているのかを見出すことが大切です。
おすすめできない通貨ペアは?
前述のとおり、取引量が圧倒的に少ない通貨ペアは値動きが荒くなる傾向があり、短期間で大きな変動を見せることも珍しくないため、あまりおすすめできません。
また、カントリーリスクのある国の通貨を含んだ通貨ペアにも注意が必要です。対象となる国の政治・経済の状況により、通貨の価値が大きく変動するリスクがあります。
加えて、スプレッドが広い通貨ペアもおすすめできません。スプレッドが狭い通貨ペアよりも取引コストが多くかかるので、利益を上げにくくなるからです。スプレッドが広い通貨は、長期間の保有を前提に、トレンド(方向感)を狙う、またはスワップ獲得を狙うトレードに徹した方がよいと思います。
- 避けた方がよい通貨ペア
- 取引量が圧倒的に少ない通貨ペア
- スプレッドが広い通貨ペア
- カントリーリスクのある通貨が含まれている通貨ペア
スキャルピング、デイトレードでおすすめの通貨ペアは?
スキャルピングやデイトレードといった短期売買では、市場参加者が多くて流動性が高く、スプレッドが狭い通貨ペアがおすすめです。
特にスキャルピングは取引回数が多くなりやすいので、スプレッドの狭さがもっとも重要です。この2つの条件を満たした通貨ペアの中で、トレンドが発生しているものを選ぶようにしましょう。
- 短期売買に向いている通貨ペア
- 取引量が多い通貨ペア
- スプレッドが狭い通貨ペア
なお、スワップポイントは日をまたがないと発生しません。よって、スキャルピングやデイトレードでは、支払いスワップポイントを気にする必要がないことも覚えておきましょう。
記事のまとめ
さまざまな観点から通貨ペアについて解説してきましたが、自分に合った通貨ペアを見つけることはできたでしょうか?
残念に思った方も多いと思いますが、「利益を出しやすい」という意味でのおすすめの通貨ペアはありません。
自分のやり方に合った通貨ペアを見つけて自分のペースで取引をしていくことが大切です。
通貨ペアを選んだら、次はFX会社を選んでみましょう。
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