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FXで100万円以上損失する人はなんと4人に1人! データをもとに紹介
FXで失敗する人はどのくらいいるのでしょうか。
「失敗=お金を減らすこと」と考えると、失敗する人の割合はおおよそ40%というデータがあります。
※出展:金融先物取引業協会「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査~調査結果報告書~ 2018年4月」ただ、そのうちの28%は損失額が20万円以内です。
では、「100万円以上の損失を被ってしまった」というような、預けたお金以上の損失を被る大失敗を経験した人はどのくらいでしょうか。
資料を見てみると、そんな手痛い大失敗を経験している人は約3.2% だそうです。
40%の人が失敗し、そのうち3.2%の人は大失敗する―。>決して少なくない確率ですよね。
だからこそ「自分だけは大丈夫」なんて思わずに、今のうちに先人の失敗から学んでおきましょう。
FX初心者が陥る失敗には「パターン」が存在する
誰しも「利益を出したい」と思って始めるFXですが、思うように勝てず撤退してしまう人も少なくありません。
特に「初心者期間」ともいえる最初の1年間をこらえきれずに脱落してしまう人は多いようです。
何が初心者の落とし穴となるのでしょうか。
実はFXでは初心者が陥る失敗には「パターン」があります。
「FXあるある」ともいえる落とし穴です。
ここでは典型的な失敗パターンを3種類紹介しましょう。
明確な根拠なしに適当にトレードしてしまう
「昨日は1ドル110円だったのに今日は109円か、安くなってるから買ってみよう」。
こんな「値ごろ感」での売買は失敗のもとでしかありません。
そのまま108円まで下がってしまうことだってありえるのです。
110円で買って108円で決済すると、FXの一般的な取引単位である1万通貨だと2万円の損になってしまいます。
為替レートはスーパーの野菜とは違います。
「昨日より安いから」は買う理由になりません。
買うのは安くなっている理由を考えて、「これ以上は安くならないかな」と推定できる根拠を見つけてからです。
理由や根拠なく売買していると、資金がみるみる減ってしまいます。
根拠のない売買は失敗のもと。
最初は稚拙でも構いませんから、自分なりの「買う理由・売る理由」を考えてみてください。
ポジションを無駄にもちすぎる
初心者が失敗しやすい「FXあるある」の一つに「ポジポジ病」があります。
「ポジ」とはポジションの略であり、決済する前の取引がポジションです。
ポジポジ病には2種類あります。
1つは、資金に対して不釣り合いな量で発注してしまうケース。
ポジション量が大きいと損失額もそれだけ大きくなり、1度の失敗が致命傷となります。
失敗への直行ルートです。
もう1つは、ポジション量は適正であっても取引頻度が多すぎるケースです。
特に初心者は要注意です。
FXに熱中するあまり深夜までチャートを見つめて、チャンスではない場面でも100回、200回と取引を重ね、資金を減らしてしまう可能性もあります。
これらはポジポジ病の典型です。
多額のポジションをもっていると平常心を失いやすく、冷静な判断が難しくなりますし、取引頻度が多すぎるのも考えものです。
「無駄なポジション、火事のもと」と心得ておきましょう。
正しいタイミングで損切りができない
FXで必須でありながらも、ハードルの高いスキル、それが「損切り」です。
「上がると思って買ったのに下がった」「下がると思って売ったのに上がった」。
そんなとき、あきらめて決済するのが損切りです。
損切りすれば、損失が発生し口座資金は減少します。
しかしダメージを最小限に抑え、次回以降で挽回を図ることができます。
損切りしなければ、相場が反転して利益になる可能性も残されますが、反対に損失が膨らみ、資金の大半を失ってしまう可能性もあります。
9回勝って9万円の利益となっても、次の取引で損切りができずに損失20万円となったら残るのは損失だけ。
資金が足りなくなりFX会社が強制的に決済する「強制ロスカット」になるほどの損失だと、資金の大半が失われ、復活への道が絶たれてしまいます。
損切りすべきときはキチッと損切りし、利確と小さな損切りを何度も繰り返しながらもトータルでは利益を残すのが、FXで資金を増やす唯一の道です。
失敗する人の共通点とは? FXで失敗しないための回避方法を紹介
FXの失敗はどうしたら防げるのでしょうか。
実は解決策の一つを、皆さんはすでに手に入れています。
それは「どんな失敗をしやすいか」を知ること。
先に挙げた3つの失敗―根拠のない取引、ポジションの取りすぎ、損切りの遅れ―を頭に入れておき、取引を始める前には「根拠があるか?」「ポジションを取りすぎていないか?」と自問し、損切りをすることでリスク回避の第一歩です。
やっぱりFXの知識不足
しかし、それでも皆さんは失敗することがあるでしょう。
「知識不足」が失敗をもたらすこともあるからです。
FXの取引はなんとなくで行うと、損失ばかりが膨らんでしまうものです。
正しい知識が必要です。
「知識」などというとハードルが高そうに感じるかもしれませんが、最初から100%の知識が必要なわけではありません。
億単位の利益を積み上げているようなトレーダーたちも最初は少ない知識から始めて、失敗と成功を繰り返しながら知識を増やし、取引の精度を高めています。
学んでおきたい重要な分野は次の3つです。
- チャートから未来を予測するテクニカル分析
- 経済指標や政治経済などを分析するファンダメンタルズ分析
- 最適な発注量や利益と損失のバランスを考えるマネー・マネジメント(資金管理)
少しずつ知識を深め、経験を積んでいくことで、取引の精度を高められるようになっていきます。
自分の感情をうまくコントロールできていない
ところが、いくら知識があってもFXは勝てるとはかぎりません。
FXに限らず投資の失敗を招く最大の要因は「自分自身の感情」だからです。
「損切りは大事だ」「損切りの徹底を」とは誰もが言うことですし、ここにも書きましたし、あなたもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
それでも損切りできないのは、あなたの「メンタル」が邪魔をするから。
損切りすべき場面では、「待っていれば戻るかも」という根拠のない期待を抱いて、損切りの痛みを回避したくなります。
「放っておけば治るかも」と虫歯の治療を放置するのと同じです。
治療すれば多少の痛みは伴いますが歯は残せます。
放置すれば、虫歯が悪化し抜歯することになるかもしれません。
誰だって損切りはしたくありませんし、最初は心が痛みます。
それを乗り越えて、切るべきときに機械的に損切りするようメンタルをコントロールできるようにしましょう。
FX初心者が失敗を防ぐために重視するポイント
ここまでに紹介した、失敗を防ぐためのポイントをまとめておきましょう。
- 初心者がやりがちな失敗を知る
- 知識を身につけ、根拠のある取引を行う
- 適切なポジション量で取引する
- 損切りを徹底する
- 自分の感情をコントロールする
「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットは資金を増やすためのルールをこう語っていたそうです。
「第一の原則は損をしないこと。第二の原則は、第一の原則を忘れないこと」
第二の原則を言い換えれば「投資家は、ルールや原則を忘れやすい生き物だ」ということです。
失敗を避けよう、ルールを決めようと思っても、ルールを100%遵守できる人はほぼ皆無でしょう。
甘え、欲、油断、怠けグセ、生活の忙しさ、眠気―あなたの中には、あなたにルールを破らせようとする敵がたくさん潜んでいます。
自分自身に負けずルールを守り続けることこそ、FX取引の最大のポイントです。
FXで失敗したAさん|経験から学んだ教訓とは
ではここで、FXトレーダーのリアルな失敗エピソードも紹介しましょう。
話を聞いたのは、大学生トレーダーのAさん(20歳・男性)。FX歴1年の初心者ということもあり、これまでに数々の失敗を経験しているとか。
そんな彼にとって、今までで一番痛かった失敗は「1回で10万円」の損失になってしまったトレード。
「ドル円のレンジ相場で、売りでエントリーしました。すると急にレンジブレイクしてしまい、1万、2万と含み損がみるみるうちに増えていったんです。
その頃はレンジブレイクしてもすぐに落ち着く相場が多かったので、長期戦も視野に入れ取引しようと思ったのですが、日々増え続ける損失にだんだんメンタルが耐えられなくなって…。ついに損失を確定させました。この一連の取引でマイナス10万円です」
Aさんが考える「損切りが遅れた理由」は、いつか戻ってくるはずだという期待と、「利益を吹き飛ばしてしまう」ことのためらい。
その月はすでに3万円の利益を出していたそうですが、マイナス2万円で損切りをすると利益の大半が吹き飛ぶことになります。そう考えるとなかなか損切りができなかったとか。
この反省を生かして、現在Aさんは損切りルールの遵守を心がけています。
「ドル円の場合、30pips(30銭)変動したら絶対に損切りをすることにしています。含み損は、中長期的な視点で見たら戻ってくることも多いですが、資金にも限界がありますし、マイナスが増え続ける状況にはメンタルが耐えられなくなりますから」
Aさんにとって10万円の損失は非常に痛いものでしたが、その失敗経験がルールの徹底につながったと語ってくれました。
万が一FXで失敗してしまったらどうすればいいの?
今のあなたのようにきちんと調べて、失敗への備えを万全にして始めたつもりでも失敗することはあるかもしれません。
操作をミスした、発注したつもりの注文が通っていなかった、レートを見間違えた、通貨ペアを間違えた、などなど、初心者のうちは考えられないようなミスをしてしまうことがあります。
もし思わぬ損失を出してしまったら―。
そうやって想像し、いざというときの対処を一考しておくこともリスク管理の一つです。
失敗を「記録」し、再発を防ぐ
大損した後は心が痛み、FXのことを忘れたくなります。
そんなときは気分転換も大事ですが、記憶が新鮮なうちに失敗の原因を自己分析し、同じ過ちを繰り返さないよう教訓としましょう。
「損切りが遅れた」だけでなく、「なぜ損切りが遅れたのか」と一歩踏み込んで考えてみましょう。
「心の甘えが原因だったな」ということならば、ポジションをもつと同時に損切り用の逆指値注文を発注することをルールに加えるなど、同じ失敗を防ぐための仕組みまでつくるのが理想です。
「失敗は成功のもと」なんて言い古された言葉かもしれません。
でも、失敗には多くの「学び」が隠されているのは事実です。
FX用のノートをつくって失敗取引や成功取引をいつでも見返せるようにしておいたり、パソコンのモニターに教訓を書いたふせんを貼っておいたり、取引ルールを声に出して読んでから取引を始めたり…。
先輩トレーダーはさまざまな方法で貴重な経験を将来の収益に変えています。
忘れたい失敗こそ忘れず記録し、次回への糧としましょう。
復活への「ルートマップ」を描く
FXで大損しやすいのは、負けた直後です。
「今日の損は今日のうちに挽回だ!」なんて考えるのは、非常に危うい兆候です。
大失敗して100万円の資金が60%減ってしまうと、残りは40万円。
もとの100万円に戻すには150%のパフォーマンスが必要になります。
「60%減っただけなのに150%?!」と思うかもしれませんが、元本の減少はそれだけの痛手なのです。
150%を1日で達成するのは到底不可能ですし、「今日中に挽回だ!」なんて考えるのは無謀そのもの。
ところが大失敗後は冷静さを失っているため、無謀なチャレンジを行った結果、チャンスを待てずに焦って取引したり、「いつもの2倍の量で取引すれば一挙挽回!」とポジション量を増やしたりと、さらに傷を深めるような行為に及んでしまいます。
損切りしたり、連敗した直後の熱くなりやすい瞬間こそ、冷静にならないといけません。
焦って取り返そうとせず、電卓やエクセルを使って「週に1万円ずつがんばれば、1ヶ月で取り戻せる」など現実的な復活へのルートマップを描いてみましょう。
自分への「ペナルティ」を与える
大失敗の後には「冷却期間」を設けるのも有効です。
銀行の為替ディーラーは、損失が決められた比率に達すると「ペナルティボックス」に入り、自己取引を一定期間、禁じられます。
これと同じように「大損したら3日間取引禁止」といったように、為替市場から距離を置くルールをつくるのです。
大損した後はメンタルが乱れがちなので取引を休むことで傷口の拡大を防げますし、休んでいる時間を利用して失敗を分析することもできます。
それに大損したということは「今の相場があなたのやり方に合っていない」可能性もあります。
合わない相場で取引するくらいなら「休むも相場」と割り切って、知識の研鑽に励んだ方がいいでしょう。
「資金が1日で20%以上減ったら2日間休む」といったように自分なりのペナルティ・ルールを決めておくといいでしょう。
【でも失敗が怖い人向け】自動売買なら感情に左右されない取引が可能
Fルールを守ること失敗するリスクを減らせますが、それでも自信がない人や不安な人は、「大失敗を回避するための仕組み」を用意することも考えてみましょう。
ポジションをもったら自動的に損切りの逆指値注文を発注してくれる機能は、導入してほしい仕組みの一つ。
多くのFX会社で、「設定」画面などから利用できます。
ただ、それでもメンタルが邪魔をして、自動発注された注文をキャンセルしてしまったり、損切りの位置を遠くに動かしてしまうリスクはあります。
そこで、さらなる自動化を求めるなら自動売買の導入も視野に入ります。
自動売買なら、あらかじめ決められたルールに従って新規から決済まですべて自動ですから、メンタルの入る余地はほぼありません。
メンタルコントロールが苦手な人には便利な存在となるでしょう。
とはいえ、自動売買任せでは上達しにくいですし、「自動」とはいえプログラムを選ぶのは自分自身。
相場に合わせた調整も必要で、完全に放置できるわけではありません。
「自動売買だから楽して稼げる」なんて安易に考えないことも大切です。
自動売買について以下の記事でさらに詳しく解説しておりますので、検討してみてください。
【初心者向け】FXの自動売買ができるおすすめ口座とツールを解説!
FXの自動売買はどの口座が一番いいんだろう・・・?プログラムが自動でFX取引をしてくれる自動売買。自動売買を運用するには、自分にあ•••続きを読む