目次
mirror traderの概要
mirror traderとは、海外で開発されたFXの自動売買プラットフォームです。
無料で全世界の専門家が開発したストラテジー(自動売買プログラム)を自分で組み合わせて使用できます。
同じような自動売買プラットフォームの一つにMT4がありますが、MT4との違いは自分でサーバーを立てなくても24時間自動売買できる点です。
mirror traderでストラテジーを選ぶときは、おもに以下の指標を確認します。
- T-Score
- 最大ドローダウン
- 最大ポジション数
T-Scoreとは、ミラートレーダーの開発会社が、そのストラテジーの売買結果を基に独自に評価している数値のことです。
T-Scoreは、ミラートレーダーのストラテジーカードから確認できます。
最大値は10で、特に直近の成績が大きく影響します。
算出ロジックは公開されていません。
現在の値だけでなく変動履歴を確認するなどして、ストラテジーを選ぶ基準の一つとして用います。
最大ドローダウンとは、指定期間中にもっとも大きく損失を出した幅をpipsで表現した値です。
そのストラテジーが過去に出した最大損失幅は、将来的に起こりえるリスクとして対応策を検討しておく必要があります。
具体的には、証拠金預託額を上げるためにもう少し証拠金を口座に入金するか、他のストラテジーと入れ替えるかなどです。
最大ポジション数は、指定期間において最大いくつの保有ポジションができるかを示した値です。
最大ポジション数が多ければ多いほど、必要証拠金および自己資金は多く必要になります。
そのストラテジーを利用する場合、どれだけの証拠金を用意すべきかを計算する際必要不可欠な値です。
このように、mirror traderは相場の情報をトレーダーに明示して、数多くのストラテジーから、高い利益を出しているストラテジーを探せるような機能を多く提供しています。
インヴァスト証券は、国内でmirror traderを提供しているFX会社の一つです。
シストレ24にて、mirror traderとMyシストレ24、2種類のツールを提供しています。
両者にはどのような違いがあり、なぜ2種類提供されているのでしょうか。
Myシストレ24とmirror traderとの違い
mirror traderは、ストラテジーを選んで定期的に成績をチェックし、ストラテジーの入れ替えを行いつつ運用します。
何もせずに放置していると、ストラテジーの成績が下がってきたときに対応が遅れて、損失が大きくなる可能性があるためです。
しかし、ストラテジーの選択や入れ替えは、初心者には少し難しいと感じる点です。
mirror traderをベースにインヴァスト証券が独自開発したMyシストレ24は、初心者にとって難しいと感じる部分を改善したツールです。
具体的には、初心者にはハードルの高いストラテジーの選択と入れ替えを自動で行い、「証拠金メーター」で証拠金の変動がひと目で確認できるようにしています。
これらの機能を追加することにより、簡単にフルオートで自動売買できるようにしている点が特徴です。
Myシストレ24は、mirror traderから定期的に情報を連携してシステムに取り込み、独自のステータスを各ストラテジーに付与して表示する、という仕組みです。
データ連携は一定時間ごととなるため、どうしてもタイムラグが生じます。この点は、Myシストレ24の弱点です。
一方、直接ストラテジーを検索し、自分の判断で稼働するmirror traderは、Myシストレ24に比べて上級者向きのツールといえます。
ストラテジーを選択する時点で裁量部分はあり、ストラテジーの性質やステータスの意味をよく理解したうえで初めてストラテジーの選択や切り替えが可能になります。
mirror traderでは、現在好調なストラテジーはどれか、チェックしなくてはいけない値はどこかという点を細かく分析・判断できる機能が豊富です。
また、ストラテジーが対象としている通貨ペアの性質も確認しながら、よりベストな方向にポートフォリオを調整することもできます。
mirror traderでの取引状況やストラテジーの成績などはリアルタイムで反映されるため、常に最新の情報でトレードの判断が可能です。
ストラテジーから発信されるライブシグナルをリアルで受け取ってすぐにトレードを行うこともでき、さらには裁量トレードを行うこともできます。
このように、mirror traderはMyシストレ24に比べてトレード方法についても自由度が高い点も相違点の一つです。
mirror traderを使うメリット4つ
mirror traderを使うメリットについて、Myシストレ24と比較して優れている点も考慮しながら解説します。
リアルタイムに情報が更新され高性能
mirror traderは、サーバーに対して直接アクセスしてリアルタイムに情報を見ることができ、情報を操作する中間処理がない分高性能です。
Myシストレ24は、mirror traderからデータ連携しているためどうしてもタイムラグがあります。タイムラグを意識しなくてよい点は、mirror traderを利用する大きなメリットです。
自分で自由にポートフォリオを組んで自動売買できる
ストラテジーの性格がどういうものかがある程度判断でき、現在の相場に向いているストラテジーを選ぶことのできる知識があれば、さらにmirror traderを活用できます。
フルオートよりもきめ細かいタイミングで、臨機応変にストラテジーを入れ替え、より高い運用成績を目指すこともできる点は、mirror traderならではの特徴です。
ライブシグナルによるセミオート取引やマニュアル取引も可能
ライブシグナルとは、ストラテジーが新規の売買シグナルを配信したときに表示されるシグナルの一種です。ライブシグナルは、過去30日間で取引成績がプラスのストラテジーのみ配信されます。
ライブシグナルが発生して30秒以内に「送信」をクリックすると、その売買シグナルを受け取って、1往復の自動売買が実行できます。
この取引をセミオート取引といい、mirror traderでも取引が可能です。また、mirror traderではMyシストレ24ではできないマニュアル取引もできます。
自動売買・セミオート・マニュアル取引と、さまざまな取引方法が選べる自由度の高さが、mirror traderを使うメリットです。
ストラテジーのきめ細やかな分析なども可能
mirror traderは、通貨ペアのチャートやストラテジーの情報、必要証拠金率を、リアルタイムで細かくチェックできます。
また、ストラテジーの統計情報について詳細を分析、いくつかのストラテジーの複合成績を確認するといったことも可能です。
mirror traderを使うデメリット3つ
mirror traderを使うデメリットもいくつかありますので、使用前には確認しておきましょう。
ストラテジー入れ替えのタイミングが初心者には難しい
ストラテジーを自分で選び、入れ替えることは、初心者には難しいといわれています。
ストラテジーの入れ替えタイミングについては、ある程度勉強してからmirror traderを使わないと、思わぬ損失を出してしまう危険性があります。
ストラテジーの入れ替えに自信がない場合は、ひとまずMyシストレ24の「フルオート」から稼働して勉強するのも一つの方法です。
資金管理も初心者には大変
Myシストレ24には、証拠金メーターという便利な機能があります。
必要証拠金率が安全圏にあるかどうか、ひと目みてわかる仕掛けです。
mirror traderも個別の推奨証拠金額は確認できますが、運用資金全体の見渡しについては、MYシストレ24の方が優れています。
個別の推奨証拠金率は表示されていますので、証拠金維持率が安全圏かどうかは、自分で確認して判断することになります。
適切に資金管理をしておかないと、ロスカットになって全ポジションが決済され、想定外の損失を出してしまう可能性もあります。
スマホ版がなく外出先で気軽に操作できない
mirror traderは、モバイル端末対応ではありません。
PCでのみ動作するため、外出先で簡単にチェックできない点もデメリットです。
1日1回ポートフォリオを定期チェックするには、PCを起動するしかありません。
mirror traderを使う際の注意点は?
mirror traderを使う際の注意点について説明します。
自動売買とはいえ放置せず1日1回は確認を
複数のストラテジーを選択して自動売買をするとはいえ、定期的なポートフォリオの確認を怠らないようにしてください。
ストラテジーを稼働させたまま放置していると、損失額が大きくなっていることにさえ気づかず、いつの間にかロスカットに至るリスクがあります。
インヴァスト証券では、少なくとも1日1回はポートフォリオを確認するよう呼び掛けています。
自分なりにルールを決めてストラテジーを入れ替える
ストラテジーの入れ替えには、自分なりのルールをつくっておくことも重要です。
mirror traderは自分でストラテジーを選ぶ、という点で裁量トレードの要素もあります。感情に流されたトレードにしないよう、ストラテジーの入れ替えにも取引ルールを設けておきましょう。
入れ替えの目安はいろいろあります。例えば、レンジ相場に強いストラテジーを選んでいるけれど、為替相場がトレンド市場に転換した場合は入れ替える、という対応が必要なこともあるでしょう。
また、ストラテジーの成績チェックの一視点として、最大連敗数を更新していないか、最大ドローダウンの50%を超えていないかも見ます。
裁量トレードよりも運用資金に余裕をもつ
他の自動売買システムにもいえることですが、mirror traderもまた、裁量トレードよりも運用資金が多めに必要です。
自動売買システムは長期的な運用が前提のため、レバレッジをあまりかけないようにします。最大ポジション数を確認し、取引数量に注意しましょう。
具体的には、証拠金預託額が推奨証拠金額の2倍以上の状態を保つように注意してください。
同時に動かすストラテジーは2つまでにする
資産運用全般の一般常識としては、資産運用のポートフォリオを組むときは、さまざまな性格の金融資産を組み合わせます。
逆相関関係にある資産を組み合わせて、リスクヘッジをするという考え方もよく見られます。
しかしmirror traderの場合、リスクヘッジを考えて多くのストラテジーを動かしてもリスク分散にはならない、というのがインヴァスト証券の見解です。
同時に動かすストラテジーを少なくする方が、リスク抑制になるといわれています。
同時に動かすストラテジーは2つまでにして、しばらく運用を続けてみてください。