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決済の難しさを解消してくれる仕組み
鹿内:iサイクル2取引はどのような商品なのでしょうか?
藤本:まず、iサイクル2取引とは、自動的にトレードを繰り返してくれる、自動売買の一種です。全ての取引は当社のサーバ内で行われるため、投資家の方は自分のパソコンの電源をつけっぱなしにしなくていいですし、スマートフォンからも設定できるため、パソコンを持っていなくても取引ができます。
自動売買ですから、FXの相場が動いている間は、ずっと取引のチャンスを狙ってくれます。裁量トレードなら、どうしても寝ている時間、働いている時間などはチャートを見たり、トレードをしたりはできませんが、iサイクル2取引ならそれらの時間帯も売買をしてくれます。
鹿内:普段忙しくて、なかなかまとまった時間をFXのために確保できない方でも取引できますね。
藤本:ところで鹿内さん、FXのトレードにおいて、決済って難しくないですか?含み益が出ていたら、どこで利食いするのか迷いますし、利食いしたらさらに相場が伸びていた、なんてこともよくあります。かといって、もっと含み益を伸ばそうと粘ったら反転して、最初の含み益がなくなってしまったり。
鹿内:たしかに。エントリーも簡単ではありませんが、決済はそれ以上に難しいと感じます。
藤本:iサイクル2取引は、こういった決済の難しさを解消できる売買の仕組みです。最初に設定したルール通りに淡々と自動的に取引するため、感情に惑わされたり、決断しなければいけないストレスを感じることはありません。
鹿内:具体的にはどういった仕組みで取引をするのですか?
藤本:iサイクル2取引は、あらかじめ設定した相場の範囲内の値動きから、継続的に利益を生み出す仕組みです。どういった動きになるかを解説する前に、まずはiサイクル2取引を始めるときに必要な設定から学んでいきましょう。
- 通貨ペア:ドル円、ユーロドルなど24種類から選択可能
- 想定変動幅:今の価格から、どれくらい逆行するか
- 売買区分:買い、あるいは売りを選びます
- 対象資産:投資する金額を設定します
この4種類を決めるだけで、自動的に設定がなされ、運用を始めることができます。 ここでは以下の設定を例に、iサイクル2取引のトレードを解説していきます。
- 通貨ペア:ドル円
- 想定変動幅:200pips
- 売買区分:買い
- 300,000円
この設定から、以下の運用プランが自動計算されます。
●利確幅およびポジション間隔:40pips
⇒保有したポジションの利食い幅と、ポジションを新規に持つ幅です。これらは同じ値幅に設定されます。この場合なら、40pips上がるか下がるかするごとに、新しく買いポジションを持ちます。それと同時に、ポジションの含み益が40pipsになると、利確されます。
●最大ポジション数:5
⇒買いの設定なので、それに逆らって下がっていく場合は、5つまで買いポジションを持ちます。これについては、後ほど詳しく解説します。
最初に下がる場合はどういう注文をする?
藤本:それではこの設定で、iサイクル2取引がどう動くかを、図を見ながら解説していきます。現在のドル円が110.00円だとすると、まずその価格で売買区分の方向、この場合は買いポジションを持ちます。全てはここから始まります。
ここから上がって行く場合と、下がっていく場合では、動き方が違ってくるのですが、まずは最初に下がる場合にどうなるかを見ていきましょう。買いのiサイクル2取引ですから、下がるのは思惑とは逆方向ですよね。
40pips下がった109.60円で、このように2つ目の買いポジションを持ちます。
鹿内:「利益確定幅およびポジション間隔」の値幅ですね。
藤本:そうです。この設定ではそれが40pipsなので、2個目の買いが入ります。この状態から40pips反発して、110.00円に戻ったらどうなるでしょうか。
藤本:このように、2個目に買ったポジションが+40pipsになるので、めでたく利確となります。
鹿内:「利益確定幅」に準じて、利食いとなったわけですね。ただこの場合は、110.00円でもう一度買わないのですか?
藤本:良い質問ですね。でも、iサイクル2取引では、同じ価格では複数のポジションを持ちません。この場合なら、110.00円の買いはもう持っているので、新たにこの価格で新規買いをすることはありません。
さて、次に109.60円で反転上昇せず、さらに下がっていったパターンも見てみましょう。
このように、109.20円まで下がると、3つ目の買いポジションが入ります。
鹿内:また40pips下がったので、ルール通りに買ったわけですね。
藤本:そうですね。このように、最初から設定されている最大ポジション数まで、新規エントリーを続けていきます。なお、そこから80pips上昇、つまり109.20円から110.00円まで上がったのなら、109.20円と、109.60円で買ったポジションがそれぞれ+40pipsで利確となります。
鹿内:ということは、スタート地点から逆行しても、元の価格に戻ってくるだけ、でこうやって利益になることもあるわけですね。
藤本:そうですね。iサイクル2取引は、仕掛けている範囲内の値動きを利益にしていくという発想なので、もみ合いの動きになるだけで勝機は十分にあります。
狙う方向に相場が進んだ場合は?
藤本:ここまでは、狙いと逆に動いたパターン、そこから回復したパターンを見ましたが、狙いの方向に進んでいったパターンを見ていきます。
110.00円から始まって、110.40円まで上昇したらどうなるでしょうか?
鹿内:えーと、最初のポジションが利食いになります。
藤本:そうですね。+40pipsで利確。そしてそれと同時に、110.40円で新規の買いが入ります。
鹿内:あ、そうか。この価格にはまだポジションがないですもんね。
藤本:そうです。このように狙っている方向に相場が動けば、利確と新規建てが発生して、利益が増えていきます。
鹿内:相場を追いかけていくわけですね。
藤本:110.00円から110.80円まで上がった場合は、上のように利食いが2回、持っている買いポジションは1個になります。
想定変動幅からはみ出したらどうなる?
鹿内:想定変動幅からはみ出した場合にはどうなりますか?
藤本:まず、狙っている方向へはいくら動いても問題ありません。すでに解説した通り、買いのiサイクル2取引なら、上がれば上がるだけ利益確定が続きます。問題は、狙いの方向と逆に動いた場合です。
先に言葉で説明すると、「一番遠くにあるポジションを損切りしながら、新規ポジションを追加して、最大ポジション数を保つ」となります。これだけだと分かりにくいので、図表を見てみましょう。
買いのiサイクル2取引で、最大ポジション数が4の場合で考えてみましょう。すでに4つ買いポジションがある状態で、さらに「利益確定幅およびポジション間隔」の値幅分下降すると、ルール通りに5つの目の買いポジションが入ります。
そして、それと同時に、一番最初に買ったポジション、つまり現在の価格から見て一番遠くにあるポジションを損切りして、最大ポジション数4を保ちます。ここからさらに下落した場合も同様に、一番負けているポジション損切り+新規ポジション追加が行われます。
鹿内:想定変動幅を保ちながら、相場の流れを追いかけていくわけですね。
藤本:なお、上昇していった場合も、想定変動幅は切り上がっていきます。下の図を見てください。
こちらは、最初に出てきた、想定変動幅200pips、最大ポジション数5、ポジション間隔が40pipsの場合動きです。
110.00円から始まったとき、想定変動幅の下限は108.00円、ここから下落して最大ポジション数になったときの一番安い買いは108.40円です。
ここから上昇すると、想定変動幅も切り上がっていきます。例えば110.40円まで上がったら、想定変動幅の下限は108.40円、こから下落して最大ポジション数になったときの一番安い買いは108.80円となります。
鹿内:上がっていけば、それだけ想定変動幅もスライドしていくのですね。
想定変動幅と資金の関係はとても大切
鹿内:iサイクル2取引を使う場合、どれくらいの資金が必要になりますか?
藤本:設定でかなり変わってきますが、これまでに解説してきた、想定変動幅が200pipsなら、300,000円ほどは用意したいです。というのも、想定変動幅に対して資金が少ない、あるいは資金に対して想定変動幅が広い場合、ポジション同士の間隔が広がってしまいます。こうなると、小さな値動きでは注文が成立せず、結果として利益確定のチャンスを逃すことになります。
こちらはiサイクル2取引の資金目安表です。先ほどの例でいえば、対象資産が300,000円、想定変動幅が200pipsなら、利益確定と新規建ての値幅は40pips、最大ポジション数は5になります。でもこれが資金100,000円なら、値幅は200pips、ポジションは1つだけしか持てません。
また、同じ資金300,000円でも、想定変動幅が500pipsになると、最大ポジション数は3ですが、値幅が166.6pipsと広がってしまいます。
鹿内:資金と想定変動幅に応じて設定が決まるわけですね。
藤本:はい。これがベストという設定はないのですが、1つの目安として、それなりの値幅に、それなりのポジション数を持ちたいと思ったら、300,000円ほどは用意したいところですね。なお、対象資産は口座入金額の中からいくら使うのかを指定できます。全額を必ず使わないといけないわけではありません。
鹿内:想定変動幅をどれくらいにするのかが鍵を握りそうです。想定変動幅はどのように決めたら良いでしょうか。
藤本:おっしゃるとおり、想定変動幅はiサイクル2取引を成功させるために最も重要な要素のひとつです。もっというと、買いの運用なら上がって行く分には利益が出るだけですので、上方向への動きはそんなに気にする必要はありません。
逆に下方向へ動き続けると、想定変動幅を越えたところで損切りが発生しますから、つまりはどこまでの下落を許容するかがポイントになります。
鹿内:想定変動幅は、どれくらい逆行するかを予想する、あるいはどれくらいまでの逆行を耐えるという考え方なのですね。
藤本:はい。ですが、逆行する幅を正確に予想するのはプロであっても非常に困難です。ですので、運用期間で値幅を考えていきます。
こちらの図をご覧になってください。運用期間が長くなるほど、上にも下にもトレンドが出る可能性が増して、変動幅は広がる可能性が高くなります。逆に期間が短くなるほど、変動幅は狭くなります。
鹿内:長く運用するなら多くの資金を用意しますが、短い運用ならそれなりの資金量でも可能であると。
藤本:そうですね。例えばよほど強いトレンドが出ていない限り、1週間でドル円が動くのは1~2円程度です。でもこれが3か月間となると、5円動いてもおかしくありません。同じ設定を長期間放置したい方ほど、資金も多めに用意した方が良いでしょう。
いろいろな値動きに対応できる汎用性の高さ
鹿内:ここからは、iサイクル2取引を上手に運用するためのコツを伺いたいです。まず、通貨ペア選びのポイントを教えてください。
藤本:全部で24種類から通貨ペアを選択できますが、まず最初はドル円が良いでしょう。情報も多く、多くの方が見慣れているため、想定変動幅の予想もしやすいと思います。慣れてきたら、上下に大きく値動きをする通貨ペアの運用も検討してみてください。
鹿内:それはなぜですか?
藤本:注文がヒットしやすく、利益が大きくなりやすいからです。ポジション間隔以下の値動きがいくら発生しても、新規建てと利益確定は発生しません。
鹿内:上下の揺れ幅が大きい方が、収益のチャンスが大きいわけですね。
藤本:また、スワップポイントによる損益も、長い目で見ると無視できません。この点では、ドル円が優秀です。1万通貨の買いで1日77円のスワップポイントが得られます(2019年8月6日時点)。この点でドル円の買いのiサイクル2取引は、有力な選択肢になるのではないでしょうか。
鹿内:資金管理は何に気をつければ良いでしょうか。
藤本:ロスカットにならない、つまり想定変動幅からはみ出さないことが一番大切です。損切りが入ると取り返すのが大変ですので。例えば2019年1月3日のフラッシュクラッシュのような大変動があった場合、損切りにならないように広く値幅を取っていれば、V字回復により大きく利益が出ます。
ですが、損切りになりながら想定変動幅を移動させていては、途中で力尽きる可能性があります。ああいった急激な値動きは一年に一度くらいは発生しますので、資金量にもよりますが、できるだけ広い値幅を余裕を持って狙うようにしてください。
鹿内:iサイクル2取引が得意な相場展開、苦手な相場展開も教えてください。
藤本:買いの運用を例にお話しします。得意な展開からいきますと、上昇していく展開はもちろん得意ですが、明確なトレンドが出ていないレンジ相場も同じくらい得意です。
鹿内:行ったり来たりで利食いがたくさん発生するからですね。
藤本:そうです。この図を見てください。
スタートしてすぐに下落し、損切りが発生してしまったものの、その後のレンジ相場で利益確定が繰り返されているパターンとなります。このようにもみ合う展開が続くほど、利食いがたくさん発生します。そしてこの例のように、スタートからは下がっていても、レンジの部分でプラスになることもよくあります。
鹿内:iサイクル2取引は、どっちつかずの流れで稼ぐのが得意なんですね。逆に苦手な展開はありますか?
藤本:買いなので下がると損失が出ますが、まさにこの図のように、レンジ部分が多い下げ方、緩やかな下げ方なら大きく負けない、あるいは利益が出ることも多くあります。よって、唯一苦手なのは一直線に下がるパターンです。これだけは損失になってしまいます。ただし、少し前に述べたように、暴落後には元の価格に戻ることも多いため、資金管理に余裕があればプラス収支にもできることがあります。
鹿内:そう考えると、iサイクル2取引は非常に対応できる相場の幅が広いのですね。
藤本:相場の曖昧な部分から利益を狙っていく仕組みなので、極端な逆行以外は十分に稼ぐチャンスがあります。レンジ相場になりやすい通貨ペア選び、想定変動幅の設定がベースになります。
鹿内:どんなタイミングで取引を始めるのが良いでしょうか。
藤本:未来の相場を正確に読むことが難しいという前提があるので、あまり神経質にタイミングを計る必要はありません。ただし、買いならレンジ相場の下限付近から開始することで、下降余地が少なく、上昇余地が多いため有利といえるでしょう。
時間がない人でも有効な運用ができる!
鹿内:裁量トレードと比較して、iサイクル2取引にはどのような強みがあるでしょうか。
藤本:売買のストレスがない点ですね。値動きや損益に一喜一憂しなくて良いです。またタイムリーな売買のスキルも求められないため、まだ技術を磨いている段階のFX初心者の方にもオススメです。プロでも難しい、ここから、ここまで上がるという、ピンポイントの予想をしなくて良いですから。
鹿内:逆にデメリットはありますか?
藤本:先ほども解説した通り、少なくとも300,000円くらいの資金はあった方が良いです。また、必ず含み損を抱えることになるため、含み損への耐性が必須です。利益が出ている運用であっても、ほぼ未決済ポジションの含み損を持ち続けることになります。これはもう構造的な特徴なので、裁量トレードと違う感覚に早く慣れていただく必要はあります。
鹿内:iサイクル2取引は、どんな人に向いていますか?
藤本:時間がない人です。証券会社に勤務していてFXの仕事をしている私でも、忙しくなってくるとレートやチャートを見られないことがあります。そういう意味で、サラリーマンなど本業がある人に向いています。
鹿内:逆に向いていないのはどんな人ですか?
藤本:一夜にして資金を数倍にしようと考える方ですね。iサイクル2取引は相場の波からコツコツ利益を狙うもので、一気に資金を増やすことには向いていません。
鹿内:ありがとうございます。最後に、iサイクル2取引の利用を検討している人に向けて、アドバイスをお願いいたします。
藤本:FXを、ギャンブルではなく資産運用と考え、長くFXと付き合っていきたいのなら、iサイクル2取引でぜひ運用してみてください。自動的にトレードをしますから、時間のない人でも不利ではありません。デモトレードもありますので、実際のお金を使うのが不安な方は、まずはこちらで体験していただくと良いでしょう。
まとめ
iサイクル2取引は、安く買って高く売る、高く売って安く買い戻すという、裁量トレードのセオリーとはまったく違った発想の自動売買です。値動きをするたびにコツコツと利食いを繰り返していく仕組みなので、精度の高い予想は不要ですし、いろいろな相場のパターンに対応できる懐の広さがあります。
普段時間がない、裁量トレードでうまくいなかったという人にはぜひともチャレンジしていただきたいです。余裕を持った想定変動幅の設定で、じっくり利益を積み上げていきましょう。
ライブスター証券の会社概要
会社名 | 株式会社ライブスター証券 |
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登録番号 | 金融商品取引業者【関東財務局長(金商)第8号】 |
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代表取締役社長 | 根津 文彦 |
資本金 | 21億円(平成21年9月30日) |