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マネックス証券「MonexTraderFX スマートフォン」の特徴
マネックス証券「MonexTraderFX スマートフォン」とは、マネックス証券のFXサービス「マネックスFX PLUS」の提供するスマートフォン用の取引ツールです。まずは、MonexTraderFX スマートフォンの特徴について解説します。
iPhoneとAndroid両方に対応
MonexTraderFX スマートフォンは、iOS8以上を搭載したiPhoneまたはAndroid 4.0以上を搭載したAndroid端末に対応しています。幅広いOSバージョンに対応しているため、多くのスマートフォン上で動作するツールです。ただし、残念ながら、タブレットには対応していません。
マネックスFXの「MonexFX SPEED スマートフォン」との違い
マネックス証券には、マネックスFX PLUS以外にもうひとつ、FX専用口座のあるマネックスFXというFXサービスがあります。マネックスFXもMonexFX SPEED スマートフォンというスマートフォン用の取引アプリを提供していますが、両者にはどのような違いがあるでしょうか。
実は、スマートフォン用の取引アプリとしては、両者の違いはほとんどありません。アプリの見た目(画面レイアウト)や基本的な機能は、どちらもほぼ同じです。ただ1点だけ、以下の点が違います。
- 足種はMonexTraderFX スマートフォンの方が豊富(TICK足、4時間)
足種は、MonexTraderFX スマートフォンの方が豊富です。MonexFX SPEED スマートフォンはTICK足、4時間には対応していません。
その他の違いは、マネックスFXとマネックスFX PLUSという2つのFXサービスの違いがそのまま出ている、とうことになります。マネックスFXとマネックスFX PLUSの違いが出ている点は、以下の通りです。
- マネックスFXは最大レバレッジ倍率が5パターンあるため口座情報の表示等に違いがある
- MonexTraderFX スマートフォンにはオートレール機能がある
マネックスFX PLUSは最大レバレッジ倍率が25倍固定ですが、マネックスFXは5パターンあります。そのため、MonexFX SPEED スマートフォンの口座情報に表示される最大レバレッジ倍率の表示と、MonexTraderFX スマートフォンの表示には違いが出る場合があります。
また、25倍以外のレバレッジ指定では、新規注文を出す時に、必要証拠金に違いが出るなど動きが変わる場合がありますが、アプリとしての機能的な違いはありません。
機能的に大きな違いとしては、MonexTraderFX スマートフォンに備わっている自動売買機能「オートレール」注文です。オートレール注文については、次に詳しく説明します。
自動売買機能を備えている
オートレール注文とは、トレール注文を連続して行うリピート系注文のことです。新規注文と決済注文で、それぞれ以下の設定をして発注します。
【新規注文】
- 注文数量:1回の注文数量を指定
- 売買種別:売り注文で入るか買い注文で入るか
- 基準価格:オートレールが有効になる価格
- 設置本数:最大50本まで可能
- 設置値幅:円で指定、子注文のトリガーとなる間隔を円で指定
【決済注文】
- トレール幅:通常のトレール注文と同じで、決済時のトレール幅を決める
- 有効期限:オートレール注文の有効期限、期限後残っているポジションはそのまま保持
- 損失制限額:この金額を超えた損失が出るとオートレール停止、保持ポジションは残る
基準価格は、買い注文で入る場合、基準価格から上方向にトリガーがかかり、売り注文の場合は基準価格より下方向に抜けた時にトリガーがかかります。
注文数量と設置本数にも注意しましょう。必要証拠金は、注文数量の必要証拠金×設置本数です。注意しないと、自動売買は運用資金が膨らみがちなので、自身の運転資金とのバランスを考えて設定するようにしてください。
オートレールで重要な設定は、設置値幅とトレール幅の関係だと言われています。設置値幅とトレール幅は同等またはトレール幅の方を広めにとることで大きな値幅を取れる可能性が高くなります。また、相場の流れとして、これから下がりそう、あるいは上がりそうという予想が立つ場合は、オートレール注文の予約を行うことも可能です。
後は、トレンド方向に沿って買い方向か売り方向かを決めます。レンジ相場の場合は、売りと買いの2本分オートレール注文をかけることも検討してみましょう。
MonexTraderFX スマートフォン の主な注文操作
MonexTraderFX スマートフォンで特徴的な注文操作について解説します。
成行注文とファスト注文
MonexTraderFX スマートフォンでは、成行注文とファスト注文の両方が可能です。どちらの注文も、現在の提示レートで売り注文・買い注文を出します。
成行注文の場合は、実際に約定するレートはサーバーに注文が届き、約定する瞬間に決まるため、場合によっては想定外に不利なレートで約定する可能性があります。ファスト注文の場合は、許容スリッページが指定できるため、指定外のレートとなった場合は約定拒否となり、注文が成立しません。
成行注文は、必ず約定するという点がメリットです。逆に、ファスト注文は、想定外の悪いレートで約定せずに済む点が、成行注文よりも優れています。
どちらの注文も、決済注文を同時に発注することができます。注文画面右上から設定画面を開くと、損切り・利益確定注文の有効・無効、損切り幅・利益確定幅の指定が可能です。これらの設定をしておくことで、ワンクリックでファスト注文を出しても、損切り・利益確定両方の決済注文を同時に発注できます。
クイック注文
クイック注文は、新規・決済の区別がない注文方法です。すでに保有しているポジションを決済したい場合は、反対の注文を入れることで行います。反対注文が入ると、保有ポジションの中から約定日時の新しいものから順番に決済される、という仕組みです。決済の順序については変えることはできません。
クイック注文にすると、ドテン注文(保持しているポジションを全決済して反対ポジションを保有すること)が1回の注文でできます。そのため、超短期でシビアなタイミングの売買に向いている注文方法です。
MonexTraderFX スマートフォンの便利な機能
MonexTraderFX スマートフォンには、その他にも便利な機能があります。そのうちいくつかの機能について解説します。
テクニカル指標は15種類で切り替えもしやすい
チャートはトレンド系7種類、オシレーター系8種類の合計15種類です。チェックボックスを付けることで、チャート画面にすぐ反映できるだけでなく、どのチャートを利用しているのか、チャートの設定画面を見るだけですぐに分かります。
ただ、1つのチャートにさまざまな種類のテクニカル指標を重ねていくと見づらくなることも。次に紹介するチャート画面の分割機能を使うと、多くのテクニカル指標を比べることができるようになります。
チャート画面の2分割・4分割が可能
チャート画面は、2分割・4分割が可能です。同じ通貨ペア・同じ時間足でテクニカル指標だけ変えたチャートを比べてみる、同じ時間足で別の通貨ペアを表示して相関関係を確認する、といった使い方ができます。テクニカル分析を進めたいときに便利な機能です。
Global Info 24 とMarketWin24で世界の情報をチェック
MonexTraderFX スマートフォンでは、Global Info 24 とMarketWin24で世界の経済ニュースを確認できます。テクニカル分析だけでなく、ファンダメンタルのチェックも行うことで、トレードの判断材料が増え、より精度の高い判断が可能です。
MonexTraderFX スマートフォンを使うメリット3つ
MonexTraderFX スマートフォンの機能についてみてきましたが、本ツールを使うメリットには何があるでしょうか。ここでは、メリットを3点紹介します。
オートレールで自動売買が可能
オートレール注文で、シンプルながら自動売買が可能な点は、MonexTraderFX スマートフォンを利用するメリットのひとつです。設定項目は多くありませんが、設定値によって成績が大きく異なるので、最初のうちは小さい取引数量と設置本数で試してみると良いでしょう。
スマートフォンで運用状況の確認や、保持しているポジションの定義を変えることも可能です。こまめに動きを確認し、現在の相場に合わなくなっているようならいったん停止してもう一度設定を考える、という繰り返しをして試行錯誤しながら自分なりの設定を求めていく使い方が考えられます。
裁量トレードもしやすいファスト注文とクイック注文
スマートフォンでの裁量トレードでは、ファスト注文とクイック注文が使いやすくスムーズな注文が可能です。損切り注文と決済注文については、あらかじめ設定しておくことで新規注文と同時発注もワンクリックで行えます。
最初に、注文設定を行う必要がある点は手間がかかりますが、それさえ済ませておけば、後は新規注文を素早く終わらせることができます。
スワップポイントやニュースなどをまとめて画面に表示
スワップポイントやニュース等の情報をリアルタイムに確認できる点もMonexTraderFX スマートフォンを使うメリットです。ニュース画面で情報を収集してからテクニカル分析をして、多くの情報を合わせてトレードに反映することができます。
MonexTraderFX スマートフォンを使うデメリット3つ
MonexTraderFX スマートフォンを使う上で、デメリットに感じる点もありますので説明します。
チャートの種類は12種類では足りない場合も
MonexTraderFX スマートフォンで選択できるチャートは12種類。スマートフォン用の取引アプリとしては、基本的な指標を網羅しています。ただ、やはり多機能なパソコン版の取引ツールと比べると少なく、見たい指標がない、というケースも出てくるでしょう。
サポートされている12種類のテクニカル指標では物足りない場合は、同じマネックスFX PLUSが提供している機能の豊富なPC用取引ツールでテクニカル分析を進めるのもひとつの方法です。メインの分析はパソコンで行い、その情報を使って外出先でMonexTraderFX スマートフォンを使う、というツールの使い分けも検討してみてください。
チャート上に現在の平均レートを表示できない
MonexTraderFX スマートフォンでは、チャートを表示しながらのクイック注文が可能です。しかし、保有ポジションがある場合でも、そのポジションの平均レートは表示されません。画面下の「建玉情報」をタップすると、リアルタイムでの損益情報は確認できますが、できればチャート上に表示されるとさらに分かりやすくなると考えられます。
分足が1分、5分、30分の3種類と少なめ
1時間足以上の足種については標準的な種類が揃っていますが、MonexTraderFX スマートフォンでの提供している分足は若干少なめです。10分足と15分足があると、標準的な足種は揃います。短期トレードでもこれらの分足を利用するトレーダーはいますので、今後対応されるかどうかは気になります。
MonexTraderFX スマートフォンを使う際の注意点は?
最後に、MonexTraderFX スマートフォンを利用する際注意したい点について解説します。
クイック注文やファスト注文は入力ミスに注意
とても便利で素早い注文を可能にしているクイック注文やファスト注文ですが、それだけ入力ミスをしてしまう可能性もあります。基本的なことですが、発注ミスをして損害を被らないよう、注文を確定する直前は、取引数量など慎重に見直してから処理を進めましょう。
オートレールは損失額の設定も忘れずに
自動売買プログラムは完全ではなく、時には想定外のドローダウン(最大損失幅)を出すこともあり得ます。毎日こまめにオートレール全体の状況を確認し、損失が続くようなら一旦オートレールを停止するという決断も必要です。オートレールを停止するための損失額も忘れずに入力しておきましょう。