そもそも約定力ってなに?
約定力とは
自分の取引したいレート通りに成立するか。
FX取引の場合、取引ツールで見えているレートと異なるレートで約定されてしまうことがしばしばあります。
たとえば、取引ツール(パソコンやスマホ)でドル円の買いレートが100円と見えていて、「買おう」と思ったとします。
そして、実際に「100円の時に買いのボタンを押したのに、実際に約定されたのは100.30円だった」ということがあります。(これを「すべる」と言う)
このように、意図したレートと実際に約定されたレートの「ズレ」(0.30円)のことをスリッページといいます。
つまり、自分の意図するレートで取引が成立しやすいことが「約定力が高い」となります。
約定力が低いFX会社ってどんな会社?
では、「約定力が低いFX会社」とはいったいどんなことが起こる会社なのでしょうか。
「約定力が低いFX会社の2つの要因」について解説します。
約定力が低いFX会社の2つの要因
- スリッページが起きやすい
- 約定拒否が多い
約定力が低いFX会社の要因1つ目は、上記で説明した「スリッページ」が起きやすいことです。スリッページとは、意図したレートと異なるレートで約定する(スリップする)ことをいいます。
一般的に、取引ボタンを押して、サーバーに届くまでのミリ秒単位の間にレートが変化したことが主な要因です。
2つ目は、「約定拒否」が多いことです。「約定拒否」とはそもそも取引ボタンを押しても注文が入らない状態をいいます。
グレーアウトとも呼ばれ、1秒以下の短い時間であることもあれば数秒単位、障害の場合は数時間注文が入らないということもありえます。
つまり、約定力が低いFX会社は、「スリッページが起きやすく、約定拒否が多いFX会社」といえます。
約定力を重視する2つの理由
FX会社を選ぶ際の重視したい項目に「スプレッド」があります。スプレッドとは取引にかかるコストのことで、「取引コストをできるだけ少なくしたい」方は、スプレッドだけ調べて「スプレッドが狭いFX会社は取引コストが少なく済むFX会社だ」と思いますよね。
取引コストを重視するなら、「約定力」も検討しましょう。ここでは、約定力の違いによりFX取引にどういった影響が生じるかなど、約定力を重視する2つの理由を解説していきます。
約定力を重視する2つの理由
- 約定力が低いと取引コストがかかる
- 約定拒否で取引チャンスが奪われる
約定力が低いと取引コストがかかる
先ほどいったように、約定力が低いと「スリッページ」が起こります。各FX会社のシステムの処理能力によるミリ秒単位の処理速度はFX投資家のパフォーマンスに大きな影響を与えることもあります。
約定拒否がないとしても、注文をするたびに意図するレートよりも悪いレートで毎回約定していては取引パフォーマンスは良くはなりません。
つまり、いくらスプレッドが狭くても、約定力が低ければ実質的な取引コストはかなり割高となってしまいます。
それを避けるためにはスプレッドだけでなく、約定力という視点でもFX会社を判断することが必要です。
実質的な取引コストは以下の計算式で表すことができます。
【実質的な取引コスト=スプレッド+手数料+スリッページ】
例えば、ドル円のスプレッドが0.3銭の会社で取引をして、スリッページが0.5銭起こってしまったとすると、実質的な取引コストは0.8銭となります。
10万通貨の場合、表示されたスプレッドとは別に500円(スリッページの0.5銭分)を余分に払わされていることになります(片道)。
このことからも取引コストはスプレッドだけではなく、スリッページと手数料も加味した実質的な取引コストで計算する必要があり、それに沿ったFX会社選びをしたいところです。
また、スプレッドには「配信率」というものがありますが、最近ではFX会社の配信率には大きく差はありません。配信率でFX会社を比較する必要はないでしょう。
約定拒否で取引チャンスが奪われる
「約定拒否」とは、取引ボタンを押しても注文が入らない状態のこと。このデメリットは、そもそもの取引チャンスが奪われることです。
当たり前ですが、約定拒否によって取引できなくなるということはせっかく狙っていた取引の機会が奪われることになりますし、またポジションをもっているのに自分の思うタイミングで決済ができずに大きな損失を抱えてしまうリスクも増えます。
そのためスプレッドだけでなく約定力を重視する必要があるのです。
実際に起こる約定力で損するパターン
これからFXを始める方々はいまいち約定力の重要性についてピンとこないかもしれません。ここで約定力の低さが原因で損をする例を簡単にご紹介しましょう。
特に約定力が顕著に現れるのがマーケットが動いたときです。特に経済指標発表時などの経済イベントがあるときは約定力に顕著な差が生じます。
こういったときは1ティックがかなり大きく動くので意図したレートとのズレが生じることが多いです。
ティックとは
取引時間の最小単位のこと。マーケットが動いたときチャートの値が1ティックで一気に動くことがあります
多くのFX会社ではスリッページ設定といい、一定以上スリッページする場合には約定を受け付けないこともできます。そういった機能を使うことも上記のような不測の損害を避けるためには重要です。
また、「デモトレードでは好成績を残せたのに、本番ではうまくいかない」という人は少なくありません。
その理由はいくつか考えられますが、デモトレードと本番の違いの一つに「約定力」も理由の1つになっている可能性もあります。
デモトレードは実際のサーバーと違い、あくまでデモトレードなので、見えているレートそのままで約定ができます。
しかしこれに気を良くして実際の取引を行うと、多くの投資家が損をしてしまいます。約定力による違いがパフォーマンスに顕著に現れるのです。
上述のスリッページや約定拒否などが起こるため、利食いが「すべって」損失に変わったり、エントリーができなかったりします。
これらのエピソードからもいかに約定力が重要かということがわかるでしょう。
FX経験者が選んだ【約定力の満足度】比較ランキングBEST3
約定力でFX会社を選びたい方向けに、当社で行ったアンケートをもとにFX会社を約定力でランキング付けを行いました。約定力重視で口座を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ランキングは「FXサイト「エフプロ」の掲載ランキングについて」に基づいて作成しています。
・調査期間:2019年6月14日~2019年6月17日
・調査人数:488名
1位:DMMFX|【約定力の満足度】比較ランキング
FX経験者が選んだ約定力に優れたFX会社ランキング第1位はDMMFXでした。
DMMFXは、DMMグループが提供するFXサービスです。有名タレントを使ったテレビCMも積極的に行っており、FX業界でも知名度がかなり高いです。
DMMFXが約定力で1位に選ばれた一番の理由はどの時間帯でも安定して約定できるということ。
また、約定力に関連するメリットとしてスプレッドが安定していることが挙げられます。
スプレッドが安定している、かつ約定力が優れているということは、スリッページが小さくなるため低コストでFX取引を行うことができるということ。
多くのFX会社が「スプレッド原則固定」とうたっていますが、相場が変動すると広がることもあります。
2位:GMOクリック証券|【約定力の満足度】比較ランキング
FX経験者が選んだ約定力に優れたFX会社ランキング第2位はGMOクリック証券でした。
GMOクリック証券は、月間取引高が世界第1位()の大手FX会社です。
多くの人に支持されるということはそれだけの理由があるということ。
一般的に約定力を比較する際のポイントは2つで、「カバー先」と「システムの強さ」です。
1つ目のポイントである「カバー先」については、以下のとおり質も量も充実しています。
GMOクリック証券のおもなカバー先一覧
- バークレイズ・バンク・ピーエルシー
- ドイチェ・バンク・エージー
- ユービーエス・エー・ジー
- ゴールドマン・サックス・インターナショナル
- 外資系銀行
- 三井住友銀行など
そしてなにより、GMOクリック証券はシステムが強いゆえに約定力が優れていて、2つ目のポイントも満たしています。
GMOクリック証券の親会社はGMOというIT企業です。そして、GMOクリック証券のシステムはほぼ自社で作られており、もっともリソースを費やしている部分です。
そのため「システムに強い」というのがFX業界内外でも評判です。
とくに約定力を重視して安定した取引をしたいというFX投資家は開設しておくとよいFX口座といえます。
3位:マネーパートナーズ|【約定力の満足度】比較ランキング
※こちらは2021年10月29日営業終了時間までのキャンペーンです。現在キャンペーンは行われておりません。FX経験者が選んだ約定力に優れたFX会社ランキング第3位はマネーパートナーズでした。
マネーパートナーズの「パートナーズFX nano」というサービスでは100通貨からの取引も可能です。
マネーパートナーズは、とくに約定力に力を入れています。
同社は、2019年に株式会社矢野経済研究所が実施した、主要FX会社7社におけるFXサービスパフォーマンス調査において、スリッページ発生率0%、約定拒否発生数0件という実績を残しています。
約定力1位を、11年連続で獲得しました。
代表取締役がもともとディーラーで、投資家目線に立ってそのようなサービスを行っている点も高評価です。
ウェブサイト上でも「注文を100%スリッページさせないで受けられる環境を、システム面からも、注文をうける体制からも、とても大事にしてきました。」と述べています。