デモトレードでやっておくべきこと
一部のFX会社は、サービスの一環として無料のデモトレード口座を用意しています。
自社のFX取引ツールを体験してもらい、口座開設を促すのがFX会社の目的ですが、デモトレードには実に多くのメリットがあります。
最大のメリットは、資金をリスクにさらすことなくFXトレードを体験できることですが、体験だけではありません。
デモトレードを活用して、FXの実践に向けた準備や練習にも役立てたいところです。
この記事ではデモトレードのやり方、役立つ活用法を解説します。
デモトレードだからできること4つ
FXのデモトレードだからできること、デモトレードで体験しておきたいことは、以下の4つです。
- ハイリスクな取引を敢えてやってみる
- たくさんある注文方法をすべて試してみる
- さまざまな通貨ペアの取引を試してみる
- 最大レバレッジをかけるとどうなるのかを試してみる
これらの体験をリアルマネーでやるのはとてもリスクが高いので、こういった体験にこそデモトレードの価値があります。
ハイリスクな取引
FXは投資なのでリスクは付き物ですが、その中にはとりわけリスクの高いトレードもあります。
もちろんリスクの高いトレードは狙えるリターンも多いため、ついついそういったトレードに目を奪われがちです。
しかしそこに練習もせずに飛び込んでしまうと、リスクが現実になって大きな損失を出してしまう可能性大です。
では、どんなトレードがハイリスクなのでしょうか。
まず考えられるのは、高いレバレッジをかけた上で、損切りをせず放置するトレードです。
日本国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけることができるので、仮に100万円の資金があるすると、その25倍である2,500万円分のポジションを持つことができます。
もしその思惑通りに相場が動けばハイリターンを得ることができますが、その逆になった場合は資金の余裕がそんなにないため、いずれ強制ロスカットになってしまうでしょう。
強制ロスカットになると資金の多くを失うことになるため、リアルトレードではリスクを高めるようなトレードは推奨できませんが、それがどんなものであるかをデモトレードで体験してみることは有意義と言えるでしょう。
注文方法をすべて試してみる
FXには以下のように多彩な注文方法があります。
これらをすべて実際に体験してみて、どんなものかを知っておくことはリアルトレードの準備に欠かせません。
FX会社が用意しているデモトレードはリアルトレードと同じ画面、もしくは限りなく近いものを利用できるので、デモトレードのうちにすべての注文方法を試しておきましょう。
注文方法 | 解説 |
---|---|
成行(なりゆき)注文 | 現在のレートを基準に、できるだけ早く約定させることを前提にした注文方法です。特定のレートを指定するわけではないので、注文を出した直後に約定します。 |
指値(さしね)注文 | 売買戦略に基づき、現在値より有利なレートでの約定させる注文方法です。 買い注文であれば「〇〇以下」、売り注文であれば「〇〇以上」といった具合です。エントリー後に相場が反転すると予想しているときや、決済時の利益確定として用いられます。 |
逆指値(逆指値)注文 | レートを指定する注文であることは指値注文と同じですが、現在より不利なレートで約定させるのが特徴です。 新規エントリー時には順張りのブレイクアウト(高値を超えたら買い、安値を割ったら売ること)、決済時には損切りに用いられます。 |
IFD注文 | If Doneの略で「イフダン」と読みます。新規エントリーの注文と決済注文を同時に出すことができる注文方法です。 1つ目の新規注文が成立すると、2つ目の決済注文が自動的に出されます。 |
OCO注文 | 主に保有しているポジションに対して、指値と逆指値の両方を同時に出す注文方法です。一般的に指値は利益確定、逆指値は損切りという使い方をしますが、その他にも含み益が出ているポジションでさらなる利益を目指しながら、相場が反転した時に備えて最低限の利益を確定させるといったトレードにも用いられます。 |
IFO注文 | IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法で、新規注文+指値+逆指値という3つの注文方法を同時に出すのが特徴です。 指定のレートで新規注文を出すのと同時に、利益確定と損切りの注文を同時に出すことができます。 |
トレール注文 | レート変動に追従して逆指値注文が変動する注文方法です。保有している通貨ペアにトレンドが発生している場合、さらに利益拡大を狙いつつ相場が反転したら、指定の値幅で逆指値を成立させます。 |
成行注文や指値注文まではイメージしやすい注文方法だと思いますが、IFD注文やOCO注文といった複合的な注文方法やトレール注文など特徴のある注文方法については実際に体験してみるのが一番なので、デモトレードを活用して積極的に体験しておきたいところです。
さらにFX会社によっては、注文の有効期限を決めたり、時間を指定して成行注文を出せるところもあります。
できるだけ多くのやり方に慣れておくといいでしょう。
以下の記事では。、FXの注文方法についてさらに詳しく記載しております。
さまざまな通貨ペアで取引してみる
FXでトレードできるそれぞれの通貨には、特徴があります。
取引量が多く値動きが比較的穏やかな通貨ペアがある一方で、ボラティリティが大きい(値動きの幅が大きい)通貨ペアもあります。
一般的にドル円やユーロドルなどは取引量が多いため、マイナー通貨に比べると相場の急変動が起きにくいと言われています。
その一方で新興国の通貨やイギリスポンド絡みの通貨ペアであるポンド円やポンドドル、ユーロポンドなどは値動きの幅が大きい傾向があります。
その他にも、カナダドルやオーストラリアドル、ニュージーランドドル、メキシコペソなどは資源国通貨と見なされているため、原油など資源の価格変動の影響を受けやすい特徴があります。
例えば、2020年3月頃から起きた歴史的な原油安では特にカナダドルとメキシコペソが大きくレートを下げました。
またリーマンショックやコロナショック、さらには軍事的な緊張の高まりなど投資のリスクが高まる情勢になると、安全通貨である日本円や米ドル、スイスフランが買われやすいといった傾向も見られます。
このように、FXでトレードが可能な通貨ペアにはそれぞれの特徴があります。
こういった特徴をつかむには実際にトレードをしてみるのが一番ですが、リアルマネーを投入して練習するのはリスクが大きいので、デモトレードで体験してみるのが有効です。
最大のレバレッジを試してみる
日本国内のFX会社では、最大25倍のレバレッジをかけることができます。
つまり、最大のレバレッジをかければ25分の1の資金があればトレードが可能。
たとえば、米ドルの1ドルが100円の時に1万ドル分のポジションを持つには、普通に考えると100万円が必要ですよね。
しかし、25倍のレバレッジをかけると、必要な証拠金は4万円でOK。
実際に用意しているお金が4万円なので「4万円分のポジションを持っている」という感覚になりがちですが、実際には1万ドル分、つまり100万円分です。
仮に買いポジションを保有している状態で1ドルが101円になれば、利益は1万円です。
4万円の証拠金に対して1万円の利益を出せるのはとても魅力的ですが、逆に99円になってしまった場合は4万円の証拠金が3万円になってしまいます。
高いレバレッジをかけるとこのように、トレードがハイリスクハイリターンになります。
これも実際にやってみるのが最も感覚をつかみやすいので、リアルトレードで大失敗をする前に、ぜひデモトレードで最大レバレッジの「恐ろしさ」についても体験してみてください。
デモトレード中に学んでおきたいこと2つ
ここまではデモトレードで「体験しておきたいこと」を4つ紹介しましたが、デモトレードで「学んでおきたいこと」も2つあります。
それは、1日のレート変動幅がどれくらいになるのか、どのような動きをしやすいのかといった感覚と、資金管理能力です。
この2点はリアルトレードで非常に大切なので、1つずつ解説します。
1日の値動き幅を把握する
先ほども述べたように通貨ペアによって特徴はさまざまですが、それぞれの通貨ペアが1日にどれくらいの値動きをするのか、どれくらいの値動きであれば正常値なのかといった感覚をつかんでおくことは、トレード技術の向上につながります。
通貨によって値幅に違いがあるため、これから主にトレードしようと考えている通貨については、なおさらデモトレードで値幅の感覚をしっかりとつかんでおいた方がいいでしょう。
1日の値幅感覚がつかめるようになると、それぞれの通貨ペアにおいてどの程度の値幅で利益確定もしくは損切りをするのが適切なのかも分かるようになります。
外国為替市場は、それぞれの市場が時差の関係で異なる時間帯に動いているため、24時間いつでもトレードが可能です。
そのためFXでいう「1日」というのは、文字通り24時間です。
おおむね日本時間の朝7時頃から翌日の7時頃までを1日と見なすため、この24時間でそれぞれの通貨ペアがどのような動きをするのか、どれくらいの値幅で変動しているのかをデモトレードでしっかりつかみましょう。
資金管理能力を身に着ける
デモトレードでトレード技術と同時に身につけたいのが、資金管理能力です。
デモトレードをしてみた結果、どれくらいの利益を出せるのか、その反面どれくらいの損失が出るのか。
その仮想的な結果を通じて、自分に適した投資規模や目標などが定まってきます。
特にデモトレードで学びたいのは、失敗事例。
損失が出た場合、その投資判断がどれくらいの損失を招いたのかを知ることで、適切な投資規模をつかむことができます。
言うまでもなく、FXの目的は資金を増やすことでしょう。
しかしそれ以上に重要なのが、資金を一気に減らさないことです。
投資に絶対はないので、熟練の投資家であっても一時的な損失を出して資金を減らすことはあります。
しかし、経験が豊富な投資家ほど資金管理能力も高く、どうすれば資金の大半を失ってしまう致命的なダメージを避けられるかを心得ています。
デモトレードで学んでおきたいのはまさにこの点で、資金の大半を失うような失敗をデモトレードでやってしまったのであれば、おそらく原因は資金管理のミスです。
資金規模に対してトレードの規模が大きすぎた可能性が高いので、いくらであれば重大なダメージを避けられたのかを、しっかり検証しましょう。
デモトレードの始め方3STEP
それでは実際に、デモトレードを始める方法を3つのSTEPで解説しましょう。
FX会社が提供しているデモトレードの始め方はとても簡単です。
デモトレードを始めるにあたって必要なもの
デモトレードを始めるために必要なのは、メールアドレスだけ。
無料で利用できるメールサービスなどのメールアドレスでも問題ありません。
他にニックネームを入力する必要があるFX会社もありますが、メールアドレス以外の情報についてはそれほど大きな意味はないので、任意の名前でかまいません。
また、FX会社によってはメールアドレスが必要ないケースもあります。
デモ口座を開設する
メールアドレスが用意できたら、FX会社が提供しているデモ口座を開設しましょう。
いくつかのFX会社でデモ口座サービスを無料で提供しているので、好きなFX会社、もしくは今後利用する可能性があるFX会社などを選び、そこでデモ口座の開設手続きをします。
ここでは大手FX会社であるDMM FXでデモ口座を始める方法を例に、解説を進めていきます。
(1)デモ口座開設ページにアクセス
DMM FXのデモ口座ページにアクセス
(2)ニックネーム、メールアドレス、パスワードを入力
下記の画面で3つの必要事項を入力します。
利用規約と個人情報の取り扱いについて確認欄にチェックを入れ、「メールでのご案内」について可否を選択します。
以後、DMM FXからのメールを希望しない場合は、「いいえ」にチェックを入れてください。
すべての入力が完了したら、「確認画面へ」をクリックします。
次の確認画面で入力情報が表示されるので、間違いがなければ「申し込む」をクリックします。
特にパスワードは忘れてしまうとデモ口座にログインできなくなるので、メモなどを控えておいてください。
(3)確認メールをチェックしてログイン
すぐに確認メールが届くのでデモ口座ページにログインします。
起動するデモトレードツールには「初心者向け」と「上級者向け」がありますが、初心者の方は左の取引ツールを選ぶのが良いでしょう。
次の画面でIDの欄にメールアドレス、パスワードの欄に先ほど設定したパスワードを入力してログインすると、デモトレードを開始できます。
DMM FXのデモ口座では500万円の仮想資金が用意されているので、さまざまなトレードを体験するのに十分な金額と言えるでしょう。
実際に取引を行ってみる
デモ口座で実際に取引をするには、4つのステップがあります。
初めてのトレードをする際は、以下のステップで進めましょう。
(1)通貨ペアを決める
デモトレードも、本番と同じ通貨ペアがズラリと揃っています。
まずは、最初にどの通貨ペアでトレードをするのかを決めましょう。
DMM FXのデモ口座では、画面上部に4つの通貨ペアが表示されています。
そのうちの1つで「USD/JPY」など通貨ペアが表示されている部分をクリックして、取引をしたい通貨ペアを選びます。
通貨ペアの右隣に「選択中」と表示されているのが分かります。
この「選択中」となっている通貨ペアが、取引対象の通貨ペアになります。
ここではユーロ円(EUR/JPY)を選択してみましょう。
(2)新規注文をする
デモ口座画面の右側に、注文欄があります。
注文タイプと数量を選択することができるので、ここではストリーミング注文でユーロ円を5Lot買ってみましょう。
注文タイプがストリーミング、数量が「5」であることを確認して、右側の買いを示す赤いボタンをクリックします。
この場合はレートが変動している中で買いのボタンをクリックする仕組みになっていますが、他の指値注文などの場合は、注文したい指定レートを入力します。
(3)取引が成立する
先ほどの注文が成立すると、下の保有ポジションの欄に新たなポジションが表示されます。
注文した直後にユーロ円がユーロ高に動いたため、5.5pipsのプラス、2,750円の含み益が発生していることが分かります。
(4)ポジションを決済する
指値で決済する場合はポジション表示右側の「決済指定」にチェックを入れ、決済したい指値注文やOCO注文など入力します。
ここでは成行で決済してみたいと思いますので、その場合は「クイック決済」をクリックします。
確認画面が表示されるので、そこで「実行」をクリックすると注文完了です。
このデモトレードは2,750円のプラスだったので、成功したと考えて良いでしょう。
リアルトレードに移行するタイミング
ここまでに紹介したように、デモトレードではさまざまな体験をすることができますが、「デモトレードだけで十分な経験を積む」ことは難しいのも事実。
なぜなら、デモトレードは、自分の資金をリスクにさらしていないから。
リアルトレードはメンタルに大きな影響を与えますし、そういったプレッシャーの中でしか得られない経験もたくさんあります。
「デモトレードでは勝てていたのに、リアルトレードでは勝てなくなった」というのも、よくある話。
ですので、デモトレードで基礎知識を身に着けることができたら、リアルトレードを始めてみましょう。
ダラダラとデモトレードを続けるのはデメリットも多いので(雑にエントリーするクセがついてしまったりする)、本番環境で経験を積むことも非常に大切です。
デモトレード後はリアルトレードを始めよう!エフプロなら嬉しい特典が充実
リアルトレードを始めるための口座選びは、デモトレードと同じFX会社を選ぶ方が多いでしょう。
そのこと自体に問題はありませんが、口座開設にはタイアップキャンペーンがあることをご存じでしょうか。
たとえば以下の「エフプロ×ヒロセ通商タイアップキャンペーン」では、口座開設をした方に5,000円のキャッシュバックがあります。
リアルトレードを始めるのにあたって、この5,000円も軍資金の一部にすることができます。
口座開設をする際には、エフプロのオトクなキャンペーンを活用してみてはいかがでしょうか。