相場の動きにあわせて新規建てと決済が自動発生
-ループイフダンの基本的な仕組みを教えてください。
土方:一言で言うなら、ループイフダンは「値動きに追従して、予定された値幅ごとに、自動的に新規エントリーと利益確定を繰り返す自動売買」となります。
こちらが売買のイメージ図です。トレードをする前に、通貨ペア、買いor売りの方向性、新規エントリー&利益確定の値幅を選びます。買いなら買いのポジション、売りなら売りのポジションしか持ちません。相場が上がっても、下がっても、値幅分の価格変動があれば新規ポジションを保有し、また利益を確定します。エントリーと利食いの条件になる値幅は同一ですので、その幅の分だけ動くたびに新規エントリーと利益確定がほぼ同時に発生するイメージです。ただし、同じ価格で複数のポジションを持つことはありません。
これらの動きは全て自動、アイネット証券のサーバ内で行われるため、細かい操作は不要ですし、パソコンやスマートフォンを起動させ続ける必要もありません。
-一定の値幅の中で行ったり来たりする相場の展開の場合、自動的に利益確定が繰り返されていくわけですね。価格が上昇していく、あるいは下降していく場合にはどういう売買になるのでしょうか。
土方:上昇していく場合でも、下降していく場合でも、「一定の値幅」が、上や下にスライドしていくと解釈すれば分かりやすいです。この場合には、最大ポジション数の設定がカギとなります。ループイフダンでは、最大ポジション数以上の新規ポジション保有はされず、これを超えて新規エントリーする場面では、現在の価格から一番遠い位置にあるポジションが決済されます。この仕組みにより、最大のポジション保有数を保ちながら、価格変動を追いかけていきます。
買い注文を例に考えてみましょう。価格が上昇していくのなら、保有しているポジションを利益確定しつつ、さらに高い価格でポジションを保有していきます。つまり、ポジションを利食いしながら、ループイフダンが働く一定値幅を上方向にスライドさせていきます。この場合なら、ポジションが増えて含み損が拡大していくことはなく、ある意味思惑通りの展開といえます。
難しいのは、買いのループイフダンを稼働させているのに、価格が下落していく場面です。この場合は、下がっているので利益は確定できず、新しい買いポジションが下落にしたがって追加されていきます。
最大ポジション数が3で、すでに買いポジションを3つ保有している状態で下落し、4つめの新規買いが入る価格に到達すると、この買いが入ると同時に、一番高い価格で買ったポジションが損切りされ、最大ポジションを3に保ちます。つまり、最新の価格推移を追いかけるのは上昇する場合と同じですが、設定された最大のポジション数を維持するため、必要に応じてポジション数の調整が行われます。
ただし、この動きは、損切りの設定がありになっている場合です。損切りなし設定の場合、下落が続いても最大ポジション数を超えるポジション保有は行われず、そのまま今あるポジションを保有することになります。
-ループイフダン利用者で、損切りありと損切りなしはどちらが多いんですか?
土方:現状では、8割のお客さまが損切りなしの設定で運用しています。
-ループイフダンはどういった相場の展開が得意でしょうか。
土方:最大ポジション数を超えて損切りが発生しない範囲での上下動が長く続く展開、つまりレンジ相場の方が利益を得やすいです。上がっても下がっても値動きすれば利益確定発生の期待があるため、損切りされない状態が長く続くほど口座資産は増加していきます。
30万円程度の資金でも広めの値幅設定ならOK
-ループイフダンの始め方を教えてください。
土方:すでに述べた通り、ループイフダンでは通貨ペア、買いor売りの方向性、新規エントリー&利益確定の値幅を決定します。通貨ペアは、ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円など、円が絡んだ通貨ペアが10種類、ユーロドル、ポンドドルなど、外貨同士を組み合わせた通貨ペアが10種類の合計20種類となります。ですが、これら3項目をバラバラに選ぶのではなく、「USD/JPY B25」のように、あらかじめセットになったものから選べます。Bは買い(Sは売り)で、25は新規建てと利益確定の値幅が25pipsという意味です。この値幅は、通貨ペアごとに4~5種類と固定されています。
このように、もとから用意されているプリセットから選ぶだけなので、FX初心者の方でも迷うことはないと思います。
加えて、これまた先述の最大ポジション数、それと取引ロット数を決定すれば、すぐに運用が始まります。取引ロット数は、最少単位が1000通貨となります。
-ループイフダンをこれから始める場合、どれくらい資金を用意した方が良いでしょうか。
土方:狙う利益や想定している運用期間、通貨ペアによっても違ってきますが、20~30万円程度の資金は用意したいところです。これくらいの資金で、各通貨ペアの広い値幅設定で運用すれば、すぐに運用が破綻する可能性は低いはずです。
たとえばドル円なら、買いでも売りでも、10銭、25銭、50銭、100銭の値幅が用意されています。10銭なら、10銭動くごとにどんどんポジションを追加しますので、利益確定が速いサイクルで高回転することもある反面、ポジション数が多いので相場が思惑と逆行したときの含み損も多くなります。100銭なら、利食いになるまでに時間はかかるものの、保有ポジション数も少ないため、含み損が膨らむスピードも遅くなります。
ループイフダンは10万円程度の資金で運用できないこともありませんが、相場が逆に動いたときに大きなダメージとなるため、それを回避するためのトレンド分析や始めるタイミングの見極めが求められます。資金管理の難易度も上がり、撤退タイミングも考える必要があるため、放置しても資産運用を続けてくれるループイフダンのメリットをあまり感じられないかもしれません。
実際にどれくらい資金が必要かは、ループイフダン目安資金表で確認することができます。
例えばドル円で、15円の逆行に耐える場合、10銭幅なら約182万円の資金が必要ですが、100銭幅なら約20万円で済みます。この金額はそこまで逆行した場合の含み損+必要な証拠金の合計ですから、この金額さえ口座に入っていれば必ず安全というわけではありません。ただ、値幅によって必要な資金が大きく変わってくるイメージは把握しやすいと思います。
含み損と共存し、大相場を耐え抜く
-ループイフダンを運用する際のポイントを教えてください。
土方:まず、どんな状況でも含み損から逃れることはできません。ループイフダンでは、設定された値幅で利益確定は随時行いますが、基本的に含み損になっているポジションはそのまま保有します。そのため、含み損が常にある状態が通常運転です。
裁量トレードでは、含み損の長期間放置は避けるべきという考えが一般的ですが、ループイフダンには当てはまりません。運用が破綻しない限り、含み損になっているポジションはいずれ利益確定される期待があるので、含み損を持ち続けることは必ずしも悪い状態ではないのです。
また、できるだけ損切りが発生しないような状態でスタートをした方が良いでしょう。損切りが発生すると、その損失分を利益確定で取り返すのには時間がかかります。週足、月足といった長期的なチャートの上に引いた水平ライン、過去の最高値、最安値などを基準に、できるだけ長く滞在し続けそうなレンジの範囲を見つけましょう。先ほどの目安資金表が基準になります。
想定変動幅を狭くした運用では、資金に対してのロット数が多いため、口座資金の増加スピードは早くなります。ただ、その分年に1回、2回程度発生する大変動で相場が逆行した場合、損切りが連続し、ケースによっては口座が維持できない危険性も高まります。2019年1月に発生したフラッシュクラッシュ、2020年3月に発生した新型コロナウイルス相場はその典型です。こういった大相場を余裕で乗り切れる資金設定が重要です。
ユーザーの約8割が資産増
-デイトレードなど裁量トレードの経験しかない方にとって、ループイフダンにはどのようなメリット、そしてデメリットがあるでしょうか。
土方:まず、メリットとしてはスタートのハードルの低さが挙げられます。裁量トレードなら、相場の分析、エントリー、決済まで全ての決断をしなければいけません。でもループイフダンは用意されているものから選ぶだけですから、最初のトレードまでに決めなければいけないことは少ないと言えます。
そして自動売買ですから、相場に拘束されることはありません。もちろん事前の計画は重要ですけど、寝ていても、働いていても、トレードはずっと繰り返されます。
-メンタル的な負荷も少なそうですね。
土方:おっしゃるとおりで、裁量トレードでありがちな、メンタルのブレにより売買判断が狂うといったことは、ループイフダンでは少ないはずです。ただ、運用の停止は投資家本人が行いますから、事前に計画を立てて含み損を想定していなければ、メンタル的な負荷の影響を受ける可能性はあります。
あとループイフダンは取引コストの安さにも注目していただきたいです。同種の自動売買の中で、もっとも安い取引コスト(スプレッド+手数料)を実現しています。取引コストの差は、長い期間運用を続けるほど差になっていきます。
-裁量トレードと比べてデメリットはありますか?
土方:ループイフダンはシンプルにすぐ始められることをコンセプトにしており、あらかじめ用意された設定の中から選ぶだけで運用を開始できます。このことにより、きめ細かい売買の設定ができず、投資戦略の自由度は低いとも言えます。これは似たコンセプトを持つ、他の自動売買との比較でも言えることです。シンプルで始めやすいことと引き換えに、カスタマイズ性が低くなっています。
あとは、価格変動をするごとに新規ポジションを追加していくため、相場の最高値付近で買ったり、最安値付近で売ったりすることがあります。最高値や最安値は、ある程度時間が経過してから確定するものですから、最初に到達した時点で将来的に頂点や大底になるかは分かりません。裁量判断ならこれを回避できる可能性はありますが、ループイフダンは機械的にポジションを取っていく自動売買ですから、どうしても山の頂点で買ったり、谷の底で売ったりしてしまい、長い間利食いできないポジションを抱えてしまうことがあります。ですが、こういったポジションを持つことも含め、口座全体で収益を上げることができれば問題はありません。
-最後に、これからループイフダンを始める方へメッセージをお願いいたします。
土方:もともと為替相場はレンジになりやすく、明確なトレンドが出ていない局面でも、自然に上下に波打つ傾向があります。ループイフダンは、この波から利益を狙うことをコンセプトにした自動売買です。忙しい個人投資家の方に代わって、ほぼ24時間自動売買を行いますので、これからFXを始める方はもちろん、裁量トレードではうまくいかなかった方にも運用をご検討いただきたいです。
相場の世界には、必ず勝てるやり方は存在しません。ただ、継続してループイフダンを運用している弊社のお客さまの約8割が資産を増やしています。
FX業界では、年々自動売買のユーザーが増えていますが、その中でもループイフダンは安い取引コストと、初心者の方でも分かりやすいシンプルな仕組みに特徴があります。まだFX経験の浅い方や、仕事や家事などが忙しくてなかなか相場に向かう時間を作れない方には、ぴったりのサービスだと思います。
まとめ
ループイフダンは自動で動くからこそ、事前の準備や計画、想定が大切であることが分かりました。相場の行ったり来たりから利益を狙う仕組みであり、そういった自然な波はFXでは常に発生しています。だからこそ、ループイフダンが止まらないような設定をしっかり組み上げることで、安定した資産運用が可能になることが分かりました。
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