【比較】FX会社の安全性は6項目で比較できる
もしもあなたが「FX会社が潰れてしまったら預けた資金も失われるのでは?」と不安を感じているなら、心配いりません。
日本のFX会社には「信託保全」が義務づけられており、あなたがFX会社に預けた資金や日々の損益はFX会社の資産と区別され、信託銀行などへ信託されています。
万が一、FX会社の経営が破綻した場合には、信託保全された資産から返還される仕組みとなっているため、「預けた資金が返ってこない」という心配はありません。
「義務づけられている」という意味において、FX会社の安全性に大きな差はないといえます。
しかし、できれば経営破綻するような会社を選びたくはないですよね。
安全性を重視したい人は、指標となる6つの項目からFX会社を比べてみましょう。
以下の3つのFX会社は、1000通貨から取引が可能なFX会社をピックアップしています。
GMO外貨※ | 外為どっとコム | みんなのFX*1 | |
---|---|---|---|
金融庁への登録 | ◎ | ◎ | ◎ |
預かり証拠金残高 | 111,039百万円 (2022年9月末) |
120,015百万円*2 | 61,780,018千円 |
自己資本規制比率 | 781.8% (2022年8月末現在) |
1433.8% (2021年12月末現在) |
360.5% (2020年9月末現在) |
口座数 | 434,530口座 (2022年8月末現在) |
567,635口座*2 | 422,075口座 |
約定率*4 | 95.59% | 100%*3 | 99.9% |
ロスカットライン | 50% | 口座の有効比率がロスカットレベル(100%~50%の間で10%刻みに設定)を下回った際に自動ロスカットが行われます。 | 100% |
*1:トレイダーズ証券として「みんなのFX」と「LIGHT FX」の口座数および預かり資産を合算して掲載
*2:2022年1月時点
*3:原則1,000Lotまでは、約定条件を満たしていれば全て約定
*4:9月よりYJFX!からGMO外貨に変更となったため、約定率はYJFX!時の最新値を提示
金融庁への登録とは
FX会社は誰もが自由に経営できるわけではありません。
日本でFX会社を展開するには「金融商品取引業者」として金融庁への登録が必要だからです。
こうしたFXに関する規制を定めているのが金融商品取引法(金商法)です。
日本のFXは金商法によって守られた環境となっています。
FX会社のホームページには登録の証である「登録番号」が明記されていますし、それが本当かどうかは金融庁のホームページにある「金融商品取引業者登録一覧」で確認できます。
エフプロで紹介しているFX会社はもちろん、すべて金融庁へ登録済みの会社です。
預かり証拠金残高とは
「取引するなら大手が安心だ」と考える人もいるでしょう。
FX会社の規模を示す代表的な指標が「預かり証拠金残高」。
利用者から集まった証拠金の総額です
多くの証拠金を託されている会社ほど、規模が大きく、より多くの人に信頼されていると考えることもできるでしょう。
預かり証拠金残高は各社のホームページで公開されています。
ただ、公表が義務付けられているわけではなく、公表するか否か、どのくらいの頻度で更新するかは各社の自主性に委ねられています。
預かり証拠金残高を見るときは、増減がヒントになることもあります。
滅多にあることではありませんが、何らかの不祥事を起こして金融庁から処分を受けた場合などには利用者が不安を感じて預かり証拠金残高が急減することがあります。
反対に預かり証拠金残高が右肩上がりで増えているような会社はサービスが好評で人気を高めている、と解釈できます。
自己資本規制比率とは
FX会社など金融商品取引業者の財務の健全性を測る指標が「自己資本規制比率」です。
総資本から負債などを差し引いた自己資本から固定的な資産を控除し、市場リスクや取引先リスクなどのリスク相当額との比率を見る数字です。
自己資本規制比率が高いほど、リスク耐性が強いことになります。
金商法ではFX会社に対して3つの自己資本規制比率の基準が設けられています。
- 140%を下回った=金融庁へ届け出
- 120%を下回った=業務改善命令の発出
- 100%を下回った=3か月以下の業務停止命令の発出、もしくは登録取り消し命令
120%、100%を下回ると非常に厳しい処分が待っており、それだけ重要な数字であることがわかります。
FX会社の自己資本規制比率はホームページで公表されています。
毎月、四半期ごとなど会社によって更新頻度は異なりますが、1000%台の会社もあれば、300%程度の会社もあり、ばらつきがあります。
万全の体制で取引したい人は自己資本規制比率を確認し、なるべく数字の高い会社を選ぶといいでしょう。
口座数
口座数はFX会社への支持率を示す指標です。
口座開設者が多いほど、多くの支持を集めていると考えられます。
ただ、FX投資家の中には「今すぐ入金はしないけど、とりあえず口座だけでも開いておこう」と考える人も多くいます。
預かり証拠金残高が「実際に利用されているかどうか」の指標となるのに比べると、口座数は参考程度のデータとも言えるでしょう。
約定力
約定力は「会社自体の安全性」ではありませんが、重視するトレーダーも多いのでチェックしておきましょう。
一部のFX会社では、狙ったレートでピタッと約定するかどうか、相場の変動が激しいときにもきちんと約定するかどうかなどを示す約定率などのデータを公表しています。
こうしたデータが約定力を示す指標となります。
約定力については、各社ごとに調査機関や調査方法などが異なるため一律に比べにくいですが、「公表している会社は約定力に自信があるのだろう」と推測することもできます。
約定力が高ければ、狙ったよりも不利なレートで約定するスリッページの発生に不安を抱かず、予期せぬ損失を防ぎやすくます。
ロスカットライン
FX取引で避けたいのがロスカットです。
どんな基準でロスカットが執行されるか、会社ごとに異なるため、安全性を考えてFX口座を選ぶならロスカットの仕組みにも留意しましょう。
一番大きな違いはロスカットの基準です。
一般的には「証拠金維持率100%」ですが、中には50%以下に設定している会社もあります。
基準が高いとより早くロスカットが執行され、執行後に残る資金は多くなります。
基準が低いとロスカットされるレートは遠ざかりますが、一方で執行後に残る資金は小さくなります。
いずれにせよ、ロスカットにかからないよう証拠金に余裕をもたせて、ゆとりある取引を行なうことが重要です。
FX会社の信託保全とは?
FX会社に入金した資金を勝手に利用される、持ち逃げされる、――そんなひどい事態が頻発した時代がありました。FX会社が登録制となる以前の話です。
金融先物取引を行う顧客を保護するために、金商法が改正されたのが2005年です。
この改正によって登録制となり、自己資本規制比率基準の導入や相手が望まない勧誘を禁じる「不招請勧誘」の禁止などが施行され、悪徳業者は一気に駆逐されました。
こうした流れの中で2010年から義務化されたのが信託保全です。
信託保全が導入される以前、一部では会社の資産と顧客から預かった証拠金をごちゃまぜにして管理するFX会社がありました。
経営破綻後、顧客から預かっていたはずの証拠金が消えていた、といった事態が起きたのです。
そんな事態を防ぐため、会社資産と顧客の証拠金を分けて管理するのは当然のこと、預かった証拠金に実現損益、含み損益などを反映した金額を信託銀行などへ信託することが義務付けたのが、信託保全です。
信託保全先は大手信託銀行からFX会社向けに信託保全のサービスを提供する信託会社まで、FX会社によってさまざまです。
いずれの場合でも、「受益者代理人」と呼ばれる利用者の代理人が日々の信託状況をチェックし、もしもFX会社が経営破綻すれば、利用者に代わって預けた証拠金の返還手続きを進めてくれます。
信託財産への移行に時間がかかるため、極端な話でいうと「1秒間の取引で1億円の利益確定をした直後に、FX会社が倒産した」といった場合には全額返還されないリスクは残ります。
とはいえ、これはかなり極端な例です。
信託保全があることによってFX会社の経営破綻などにおびえることなく取引できるでしょう。
各FX会社の証拠金信託先一覧
FX会社 | 証拠金信託先 | 引用ページ |
---|---|---|
日証金信託銀行株式会社 株式会社SMBC信託銀行 FXクリアリング信託株式会社 |
詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 | |
三菱UFJ信託銀行株式会社 FXクリアリング信託株式会社 |
詳細 | |
三井住友銀行 みずほ信託銀行 三井住友信託銀行 日証金信託銀行 |
詳細 | |
三井住友銀行 みずほ信託銀行 SBIクリアリング信託 |
詳細 | |
三井住友銀行 みずほ信託銀行 あおぞら銀行 SBIクリアリング信託 |
詳細 | |
三菱UFJ信託銀行株式会社 FXクリアリング信託株式会社 |
詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 | |
日証金信託銀行株式会社 株式会社SMBC信託銀行 FXクリアリング信託株式会社 |
詳細 | |
みずほ信託銀行 | 詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 | |
SBIクリアリング信託株式会社 三井住友銀行 |
詳細 | |
三井住友銀行 みずほ信託銀行 |
詳細 | |
三井住友銀行 みずほ信託銀行 |
詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 | |
三井住友銀行 | 詳細 |
海外のFX会社の安全性は?
FX会社を探していると、海外に拠点を置くFX会社を目にすることがあります。
そうした海外FXは日本のFX会社とどこが違うのでしょうか。
海外FXのメリットは日本の法規制が及ばないため、国内の上限25倍というレバレッジ規制に縛られることなく200倍、600倍といった超ハイレバレッジなサービスを提供できます。
日本の法規制が及ばないことはデメリットともなります。
金融庁へ登録しているわけではないですから信頼性の面で不安がありますし、出金できないなどのトラブルがあった場合にも自分で対処しないといけません。
また「0.2銭原則固定」といった「原則固定」のスプレッドは海外では一般的ではなく、市場の状況に応じた変動性のスプレッドを採用する会社が一般的です。
海外FX会社は日本の金融庁に登録していない
海外FX会社のメリット、デメリットは日本の法規制から自由なことでした。
海外に拠点を置き、建前上、日本に居住する人向けのサービスを行なっていなければ日本の金融庁に登録する必要がありません。
そのため200倍、600倍といった超ハイレバレッジや、預けた証拠金以上の損失が発生しない「ゼロカット」と呼ばれる独特なサービスを提供できるメリットがあります。
一方で、信託保全が義務化されているわけではなく、会社資産と顧客資産を分けて管理する「分別管理」にとどまる会社も少なくありません。
本当に分別管理がされているかどうか、確かめるすべはありませんから、安全性の面では不安が残ります。
変動スプレッド制(NDD制)を採用している可能性がある
FX会社の裏側の仕組みとして、「NDD」と呼ばれるものがあります。
「ノン・ディーリング・デスク」の頭文字を取った用語で、FX会社の内部にディーラーを置かず、顧客から注文があればそのままカバー先へと流す仕組みです。
NDDの場合、スプレッドはカバー先から提示されるプライス次第となるため、日本で一般的な原則固定とは異なり、スプレッドが刻々と変わっていきます。
海外では、NDDの仕組みを採用する会社も多く、スプレッドは原則固定ではなく、変動します。
市場が穏やかであれば変動スプレッドでもいいのですが、荒れたときにはスプレッドが拡大しやすくなる傾向があります。
国内で取引するのに比べると海外FXにはハイレバレッジ、日本の法規制が及ばないこと、変動スプレッドなどの特徴があり、ハイリスクハイリターンな世界ともいえます。
この記事のまとめ
安全性に着目してFX会社の特徴を見てきました。
信託保全が義務化された日本のFX会社であれば、どこを選んでも「預けた資金が返ってこない」といったリスクは非常に小さくなっています。
またより深く安全性を考えるヒントとなるのが、預かり証拠金残高などの規模を示す指標です。
FX会社の規模感を推測できるため、多くの人が入金して利用している=信頼できると、考えることができます。
ハイレバレッジなサービスに魅力を感じる人も少なくない海外FXですが、日本の法規制が及ばない世界です。
取引そのものから生じるリスクだけでなく、業者リスクも考慮しないといけないため、これから始める人や初心者は警戒が必要です。
安全性だけでなく、「その会社の特徴が自分の求めるものと合っているか」と考えると、後々の後悔することなく、取引を進められます。
その他のポイントからもFX会社を比較してみましょう。
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