トレーダーたちがいう「ルール」とは何か?
ここでいうルールとは、トレーダーが勝つために実践している独自の取引ルールのことです。
特に裁量トレードでは、以下のようなポイントについて自分なりのルールをあらかじめ決めておくことが大切です。
- 取引通貨ペア
- 取引時間
- 取引単位
- レバレッジ倍率
- ポジション保有期間
- エントリーポイント
- 利益確定ポイント
- 損切りポイント
- 利益と損失の割合
- 資金管理の方法
そもそもなぜルールが必要なのか?
取引ルールがなぜ必要かというと、感覚的な判断に基づいたトレードや、その時々の感情に任せたトレードをできる限り排除するためです。
一定のルールがなければ、何の根拠もないギャンブル的な取引にもなりかねません。またルールがないと、取引の結果を正確に判断・検証することができないのもデメリットです。
独自ルールの設定は、FXの勝率アップはもちろん、損失リスクの回避にもつながります。FXを長く続けていくためには、特にロスカット(証拠金維持率が一定の水準を割り込んだ場合に、ポジションが全て自動決済されること)にならないことが重要です。
取引ルールの決め方としては、「シンプルかつ分かりやすい」を意識するといいでしょう。
期待値の高いルールをしっかりと構築し、それを守って淡々とトレードをこなすのが理想です。定めたルールを守れなかった場合は、そのルール自体に問題があることが多いです。守れないルールは、速やかに改善する必要があるといえます。
では、実際に有名トレーダーたちがどのようなルールを持っているかを聞いてみましょう。
仲値トレードとテクニカルの組み合わせ(村居孝美さん)
225先物システムトレーダー/「トレードの成功哲学」の著者。日本認定テクニカルアナリスト (CMTA®︎)米国 NLP認定マスタープラクティショナー 。過去にラジオNIKKEI、日経プラス10出演。FX攻略.com執筆。売買戦略10種の自動売買運用ブログ
NLP心理学をトレードに取り入れることで成功している村居孝美さんが得意なFXトレードは、日本時間の朝特有の値動き「仲値」を狙うトレード。
仲値とは、日本時間の朝9時55分に銀行が決定するドル円などの固定レートのことで、よほど値動きしていないかぎり、そのレートで銀行はその日1日の両替を行います。
とはいっても、全ての仲値を狙ってトレードをするわけではありません。
チャンスはゴトー日(毎月5日、10日、15日…と、一の位が5か0の日)。
なぜこの日がチャンスなのかというと、日本固有の商習慣で、ゴトー日を決済日としている企業が今も多いからです。
特に輸入企業が多く、外貨で支払いをするために、円を売りドルを買うトレードがこのタイミングで集まりやすく、仲値に向けてドル円が上昇する形が多いのです。
よって、仲値になる前にドル円をロングし、9時55分過ぎに利食いするのが基本の形ですが、これだけだとかなり信頼性の低いトレードになってしまうので、村居さんはいくつかフィルタを加えます。
まず、9時に日本の株式市場が始まりますが、明らかに株安の展開だったり、トヨタのような大型株が下落する場合には、ドル円も連動して下がりやすいのでトレードを避けます。
またトレード自体も、節目となっている高値を超えたタイミングを狙うなど、チャート的な根拠と組み合わせるようにしているとか。
毎朝特定時間のチェックとOCO(木里ゆうさん)
木里ゆうさんは、日々の生活の中にトレードを取り入れています。
毎朝特定の時間に、前日の日足平均足をチェックし、その形だけで買いか売りかを判断してポジションをもち、利確と損切りの両方をOCO注文で入れて、あとはずっと放置。
OCO注文が入っていれば、勝つか負けるかはわかりませんが、勝つ場合と負ける場合の金額は自分が決めたとおりになるため、仕事で相場をあまり見られなくても問題ありません。
なお、すでにポジションをもっている場合には、追加のエントリーをしません。
最大ポジション数を1とした方が資金効率が良いからだそうです。
グルグルトレインを運用中(鹿内武蔵)
FX、投資専用アカウントです。FX攻略.com元副編集長→FXライター。たくさんのプロトレーダーを取材してきました。FX初心者の方、一緒にトレードを勉強していきましょう。
3人目は僭越(せんえつ)ながら私自身となります。
常にいくつかのトレード手法を検証していますが、2019年の4月から2020年の1月まで、グルグルトレインという川崎ドルえもんさんが考案したシステムトレードのMT4運用を行っていました。
グルグルトレインは、買いも売りも同時に狭い間隔で仕掛ける攻撃的なリピート系自動売買で、サポートと呼ばれる長期ホールドポジションを相場が動くと予想する方向に立てることで、両建ての片側の含み損を相殺します。
このグルトレをMT4のEA(自動売買プログラム)で運用していました。
通貨ペアの中期的なトレンドを予測し、狭く損切りを入れてグルトレを動かすというスタンスでしたが、7ヶ月間で資金に対して+6%ほどの結果を出すことができました。
一応プラスでは終えられましたが、もうちょっと手法をブラッシュアップできるなというのが率直な感想です。
この記事のまとめ
トレードの手法は人それぞれですが、FXの世界で生き残っているトレーダーのほとんどに共通するセオリーもいくつかあります。
- 資金管理を徹底
資金管理にはいろいろな意味合いがありますが、もっとも基本的なものは、トレード1回の許容損失を、全資産の一定割合に抑えることです。割合はトレーダー次第ですが、1~5%程度であることがほとんど。
全資金が10万円でリスクを1%に抑えるなら、1回のトレードで負けて良いのは1,000円です。よって、1万通貨取引なら10pips、1000通貨取引なら100pipsで損切りをします。
トレード1回のリスクを抑えることで、不運な連敗が続いたとしても、資産が残った状態で投資が継続できます。- 長期保有の戦略なら、レバレッジ、証拠金維持率を気にする
スワップポイントを狙った長期保有、あるいはトラリピのようなリピート系自動売買なら、レバレッジや資金管理に気を配ることで、長期的なトレードが可能になります。
スワップポイント狙いなら、一般的にレバレッジは1~2倍が適正といわれています。この水準にとどめておけば、よほどのことがない限りは強制ロスカットにははりません。
リピート系の場合は、証拠金維持率を1,000%以上に保つのがポイント。これにより、常識的な範囲の逆行であれば、高い確率で口座を維持できます。
資金管理やリスク回避について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。