目次
【チャート・ローソク足ってなに?】FX初心者向け解説
値動きの予想に役立つ「チャート」とは?
FX取引において、「チャート」とは為替相場の動きをグラフ化して、表示させることで視覚的にその値動きを判断できるようにしたものです。
また、テクニカル分析に使う罫線(けいせん)のことでもあります。 FX取引において、為替チャートはテクニカル分析をするうえで必要不可欠です。相場を分析して、先々の値動きを予想するために使うもの、といえます。 たとえ初心者であっても、きちんと理解しておく必要があります。
チャートは、過去の相場の値動きを表したものですが、その過去の値動きとは市場参加者が実際に売買取引を行った結果です。 だから、チャートは「市場参加者の集団心理」がどう動いたのかを表わしているのです。
ローソク足を構成する7つの要素
ローソク足は、相場の値動きを時系列に沿って表示します。ローソク足は、実体・上ヒゲ・下ヒゲの3つと4本値の合計7つの要素で構成されています。 単位期間を定め、単位期間中の初めに付いた値段を始値、最後に付いた値段を終値、最も高い値段を高値、最も安い値段を安値といいます。
この4種類の値段(4本値)を使って作図し、時系列に沿って並べて、グラフとして表示します。
始値よりも終値のほうが高いものを「陽線」といい白ヌキで、始値よりも終値のほうが安いのを「陰線」といい黒ヌリで表します。
また安値と高値は上下に突き出したヒゲと呼ばれる線で表します。 ローソク足(陽線)
ローソク足(陰線)
始値と終値で四角く囲んだ部分を実体と言います。実体が陽線ならば、白か赤、陰線ならば黒にするのが一般的です。
上ヒゲが長いということは... 大きく上昇した後で、下落したことを示しています。だから、上ヒゲが長いほど上昇に対する抵抗が強い、つまり、上げにくいという見方ができます。
下ヒゲが長いということは... 大きく下落した後で、上昇したことを示しています。だから、下ヒゲが長いほど下落に対する抵抗が強い、つまり、下げにくいという見方ができます。
これを見ればチャートが読めるようになる!FXローソク足図解
ローソク足チャートに関する知識があれば、ファンダメンタルズの知識がなくても、ある程度、相場の状態を推測することが可能です。 早速、ローソク足の基本概念を説明していきます。
【ローソク足・単体】パターンと見方一覧13選
1.陽線
陽線は買い方が勝ったことを意味します。日足の場合は、1日の取引開始から終了までで、買い方と売り方が売買を繰り返して、その結果として買い方が強かったことを表示しています。 ローソク足の実体が長いほど、買い方の勢いが強かったことを示しています。
2.陰線
陰線は、売り方が勝ったことを意味します。 日足の場合は、1日の取引開始から終了までで、買い方と売り方が売買を繰り返して、その結果として売り方が強かったことを表示しています。 ローソク足の実体が長いほど、売り方の勢いが強かったことを示しています。
3.十字線
十字線は、買い方と売り方が引き分けたことを意味します。 十字線を別名では、寄引同時線(よりびけどうじせん)と呼びます。始値と終値が同じ値段で、ローソク足の実体がない形状です。 買い方と売り方の力・勢いがほぼ等しく、互いに張り合っていることを表示しています。
高値圏で十字線が出ると、それまでの買い方の勢いを売り方が押し留めたことになり、下落への転換を示唆することになります。 安値圏で十字線が出ると、それまでの売り方の勢いを買い方が押し留めたことになり、上昇への転換を示唆することになります。
4.上ヒゲ
上ヒゲとは、買い方が高値まで買い上げたのですが、高値からは売り方に押し戻されたことを意味しています。上ヒゲが長いほど、高値からの売り圧力が強かったことを示しています。
5.下ヒゲ
下ヒゲとは、売り方が安値まで売り込んだのですが、安値からは買い方に押し戻されたことを意味しています。下ヒゲが長いほど、安値からの買い圧力が強かったことを示しています。
6.大陽線
大陽線とは買い方が強かったことを意味します。まわりのローソク足と比較して、ローソク足の実体が目立って大きい陽線を大陽線と言います。 売り方の力・勢いが弱くなっていて、その後も買い方の力・勢いの強い状態が持続することを示唆しています。
7.大陰線
大陰線とは、売り方が強かったことを意味します。まわりのローソク足と比較して、ローソク足の実体が目立って大きい陰線を大陰線と言います。 買い方の力・勢いが弱くなっていて、その後も売り方の力・勢いの強い状態が持続することを示唆しています。
8.陽線坊主
陽線坊主とは、寄り付きから終値まで、買い方が強かったことを意味します。上ヒゲと下ヒゲが無く、相対的に大きい実体の陽線を陽線坊主と言います。 寄り付きから、下押しを許さずに、上昇を始めたので下ヒゲがありません。
また、高値からの押し戻しも無かったので、上ヒゲもありません。 そのまま高値引けになったことを示しています。買い方が、一方的に強かったことを示しており、その後も買い方の力・勢いの強い状態が持続することを示唆しています。
9.陰線坊主
陰線坊主とは、寄り付きから終値まで、売り方が強かったことを意味します。上ヒゲと下ヒゲが無く、相対的に大きい実体の陰線を陰線坊主と言います。 寄り付きから下落を始めたので、上ヒゲはありません。
また、安値からの押し戻しもないので、下ヒゲがありません。 そのまま安値引けになったことを示しています。売り方が、一方的に強かったことを示しており、その後も売り方の力・勢いの強い状態が持続することを示唆しています。
10.上影陽線(うわかげようせん)
上影陽線とは、上ヒゲが長い陽線ことを言います。高値圏で上影陽線が出ると、下落への転換を示唆することになります。 陽線ですから、買い方が勝ったことを意味していますが、上ヒゲが長いので、高値からの売り圧力が強かったことを示しているからです。
安値圏で上影陽線が出ると、上昇への転換を示唆することになります。高値からの売り圧力が強かったのですが、最終的には買い方が勝ったことを示しているからです。
11.上影陰線
上影陰線とは、上ヒゲが長い陰線のことを言います。高値圏で上影陰線が出ると、下落への転換を示唆することになります。 陰線ですから、売り方が勝ったことを意味しています。そして、上ヒゲが長いので、高値からの売り圧力も強かったことを示しているからです。
12.下影陽線
下影陽線とは、下ヒゲが長い陽線のことを言います。安値圏で下影陽線が出ると、上昇への転換を示唆することになります。陽線ですから、買い方が勝ったことを意味しています。 そして、下ヒゲが長いので、安値からの買い圧力も強かったことを示しているからです。
13.下影陰線
下影陰線とは、下ヒゲが長い陰線のことを言います。高値圏で下影陰線が出ると、下落への転換を示唆することになります。 下ヒゲが長いので、安値からの買い圧力が強かったことを示していますが、陰線ですから、最終的には売り方が勝ったことを意味しているからです。 安値圏で下影陰線が出ると、上昇への転換を示唆することになります。
陰線ですから、売り方が勝ったことを意味していますが、下ヒゲが長いので、安値からの買い圧力が強かったことを示しているからです。
【ローソク足・組み合わせ】パターンと見方一覧4選
2本や3本のローソク足を組み合わせることは、相場のパターン分析をする際に役立ちます。実際の相場で活用されるケースも多く、広く知られています。
1.窓
隣り合うローソク足の高値安値が、重ならずに、完全に離れている形状を「窓」と言います。 つまり、前のローソク足の高値安値と後のローソク足の高値安値が、乖離している状態でできた「すき間」のことを「窓」と言います。 「窓」は、「空(くう)」と呼ばれることもあります。
図のように、上に「窓」ができることを、上への窓開け(まどあけ)と呼びます。 逆に、下に「窓」ができる場合は、下への窓開け(まどあけ)と呼びます。 想定していなかったニュースが出たときなどに、「窓」が現れます。
「窓」を開けた方向に、その後の相場が向かうことを示唆しています。重大なニュースなどで、大きく開いた「窓」の場合は、その示唆が強いものと判断できます。 逆に、小さい「窓」の場合は、その示唆が弱いものと判断されます。
2.星(ほし)
前後に窓を開けて、離れたローソク足の形状で、その離れたローソク足が小さいものや十字線の場合を「星」と言います。 安値圏で「星」が出ると、上昇への転換を示唆することになります。
図の例では、最初のローソク足で売り方が勝り、窓を開けて下落し、安値圏で売り方と買い方が均衡して「星」となります。そして、窓を開けて上昇し、最後のローソク足で買い方が勝った、と考えることができます。 「星」には、典型的な形状が二つあります。
典型的な「星」の二つの形状
明けの明星
ローソク足の形状が、「陰線」「下方向の窓」「星」「上方向の窓」「陽線」に並んだパターンを「明けの明星」と言います。 安値圏で、「明けの明星」が出ると、下落から上昇への転換を示唆します。
最初の陰線で売り方が勝り、その後、下に窓を開けて下落したことで、パニック的な売りが出たことを示しています。
「星」は、安値圏で売り方と買い方が均衡したことを示しています。 そして、上に窓を開けて上昇したことは、売り方の売りが出尽くして、買い方が勝る状況になったことを示しています。最後の陽線で、買い方が勝ったことを示しています。
宵の明星
ローソク足の形状が、「陽線」「上方向の窓」「星」「下方向の窓」「陰線」に並んだパターンを「宵の明星」と言います。 高値圏で、「宵の明星」が出ると、上昇から下落への転換を示唆します。
最初の陽線で、買い方が勝り、その後、上に窓を開けて上昇したことで、パニック的な買いが出たことを示しています。 「星」は、高値圏で買い方と売り方が均衡したことを示しています。 そして、下に窓を開けて下落したことは、買い方の買いが出尽くして、売り方が勝る状況になったことを示しています。最後の陰線で、売り方が勝ったことを示しています。
5.孕み線(はらみせん)
2本のローソク足で、後のローソク足が前のローソク足の実体の中に収まる形状を「はらみ線」と言います。 前のローソク足の実体を母親のお腹に見立て、後のローソク足を赤ちゃんのようにはらんでいる、という意味です。
孕み線 パターン1
安値圏で前のローソク足が大陰線の「はらみ線」は、下落から上昇の転換を示唆します。 上の図は、左から「陰の陽のはらみ線」「陰の陰のはらみ線」「陰のはらみ寄せ線」と呼びます。 どれも、後のローソク足の安値は前の大陰線の安値より上にあるので、安値を更新していません。
また、後のローソク足が小さいのは前日と比較して、買い方と売り方が均衡していることを意味します。つまり、前の大陰線で売りが出尽くしたことを示しています。
孕み線 パターン2
高値圏で前のローソク足が大陽線の「はらみ線」は、上昇から下落の転換を示唆します。 上の図は、左から「陽の陽のはらみ線」「陽の陰のはらみ線」「陽のはらみ寄せ線」と呼びます。
どれも、後のローソク足の高値は、前の大陽線の高値より下にあるので、高値を更新していません。 また、後のローソク足が小さいのは、前日と比較して、買い方と売り方が均衡していることを意味します。つまり、前の大陽線で、買いが出尽くしたことを示しています。
6.つつみ線
「はらみ線」とは逆に、前のローソク足が、後のローソク足の実体の中に収まる形状を「つつみ線」と言います。 後のローソク足が、前のローソク足をつつみ込んでいるので、この名があります。「つつみ線」は、「抱き線」と呼ばれることもあります。
つつみ線 パターン1
安値圏で、後のローソク足が大陽線の「つつみ線」は、下落から上昇への転換を示唆します。これを陽のつつみ線と言います。
後の大陽線は、前のローソク足の安値を更新する売りが出たものの、そこから上昇に転じ、前のローソク足の高値を超える程の強い買いとなったと考えることができます。
つつみ線 パターン2
高値圏で、後のローソク足が大陰線の「つつみ線」は、上昇から下落への転換を示唆します。これを陰のつつみ線と言います。
後の大陰線は、前のローソク足の高値を更新する買いが出たものの、そこから下落に転じ、前のローソク足の安値を下に抜ける強い売りとなったと考えることができます。
「1分足」「1時間足」「日足」どれを見ればよい?
基本的にはまず、月足チャートや、週足チャートのような中長期のチャートから見る必要があります。 初めにチャートで見ておきたいものは、トレンドで、大きなトレンドを見つけるためには、チャートは期間の長いものから見る必要があるからです。
中長期のチャートを見た後に、日足チャートを見て、先に説明したローソク足の形状を調べるあるいは、ローソク足の組み合わせを調べる、といった順番が望ましいです。
そもそも、1日を単位期間にした一般的なローソク足のことを日足(ひあし)と言います。 長い期間のローソク足としては、1週間を単位期間にした週足(しゅうあし)、1カ月を単位期間にした月足(つきあし)などがあります。
短い期間のローソク足としては、1分、5分、30分などの足を分足(ふんあし)と1時間、4時間、8時間などの足を時間足(じかんあし)などがあります。 大きな流れで、上昇しているのならば、「買い」で戦えば利益が出る確率は高くなるはずです。
逆に、大きな流れで下落しているのならば、「売り」で戦えば利益が出る確率は高くなるはずなのです。 大きな流れに逆らって利益を出すこともできるのですが、テクニックや経験が必要になりますし、わざわざ難しい方法にチャレンジするよりも、流れに乗って利益を上げる方がいいでしょう。
だから、トレンドを把握し、その流れに便乗するというスタンスが良いのです。
初心者がスキャルピングやデイトレードを行う際の心構え
大きなトレンドを確認して、それから相場に臨むという姿勢は、相場で長生きするためには必須です。 スキャルピングやデイトレードをする場合であれば、1時間足チャートを見て、直近の値動きの動向に目を配る必要もあるでしょう。
毎日のように相場と睨めっこをしていると、どうしても目先の値動きにばかりに集中して、中長期のチャートを見ることを怠りがちになってしまいます。 中長期のチャートは、1日や2日ではほとんど変化しないことが多いからです。
1分足や5分足は参考にしにくい
最近は、FX会社のチャートソフトが充実して、為替の値動きを1分足や5分足でも容易に見ることができますが、1分足や5分足のような極端に時間軸の短いチャートはあまり意味がありません。
世界中に市場参加者のいる相場の値動きなのですから、1分でも、5分でも、誰かしらが、売ったり買ったりしています。まとまった金額で売ったり買ったりされれば、短時間での値動きにすぐに表れます。 1分や5分といった短い時間でも、10銭や20銭程度の値動きならば、普通に起こっていることです。
しかし、1分足や5分足のような短時間のチャートにおける、これらの頻繁な小さい急上昇や急降下は、ノイズ(雑音・いらない情報)に過ぎません。極端に時間の短いチャートが意味をなさないのは、ノイズが多すぎるからです。
そういった短時間の値動きは、市場参加者全体が作る為替相場全体のトレンドとはいえません。ある限られた大口投資家の行動を表したものに過ぎないのです。 スキャルピングやデイトレードをするのであっても、1時間足チャートを見れば、十分に対応可能なのです。
実際にチャートを読めるか不安...練習問題で腕試し!
ローソク足チャートを使った「読み取り方」の練習問題を掲載します。今回は一日の中の値動きで売買まで行うデイトレ(デイトレード)を行ないます。
練習問題(1)
以下の2018年7月1日時点のドル円の日足チャートを見て、ローソク足チャートの典型的なパターンを探し、「どこで、売買をすれば良いのか?」を考えてください。
【解説】
上のチャートのように「十字線」が出現した場合には、それまでの流れと逆の売買取引を行うことが望ましいです。
それまでの値動きが下落して、安値圏で「十字線」が現れたならば、「買い」を行えば良いのです。逆に、それまでの値動きが上昇して、高値圏で「十字線」が現れたならば、「売り」を行えば良いのです。
上のドル円の日足チャートを見ると、「十字線」がいくつも現れています。 それぞれの「十字線」を考察すると、安値圏で現れた「十字線」が上昇への転換を示唆します。そして、高値圏で現れた「十字線」が下落への転換を示唆しています。 当然ですが、「十字線」が出現した場合には、その翌日に取引をすることになります。
「買い」の時は、前日の「十字線」の高値を越えた時点で取引を実行すれば良いでしょう。逆に「売り」の時は、前日の「十字線」の安値を下に抜けた時点で取引を実行すれば良いでしょう。
「上影陰線」と「上影陽線」
上のドル円の日足チャートには、「ローソク足チャートの典型的なパターン」として、「上影陰線」と「上影陽線」が出現しています。 今回のパターンでは、どちらも高値圏で現れているので、「下落への転換」を示唆しています。つまり、「売り」を行えば良いことになります。
「十字線」で説明したことと同様ですが、「上影陰線」にしても、「上影陽線」にしても、このような「典型的なパターン」が出現した場合には、その翌日に取引をすることになります。 今回のパターンならば、前日の「上影陰線」もしくは「上影陽線」の安値を下に抜けた時点で取引を実行すれば良いでしょう。
2つのはらみ線
上のドル円の日足チャートには、「ローソク足の組み合わせパターン」として、「はらみ線」が2つ出現しています。 上のチャートを見ての通りに、「陰の陰はらみ線」と「陰の陽はらみ線」です。 「はらみ線」が出現した時も、その翌日に取引をすることになりますが、「はらみ線」の場合は、その翌日のスタートの時点で、取引を実行します。
練習問題(2)
以下の2018年7月1日時点のユーロドルの日足チャートを見て、(1)と同様にローソク足チャートの典型的なパターンを探し、「どこで、売買をすれば良いのか?」を考えてください。
【解説】
今回の場合は、1本目のローソク足の安値を下に抜けた時点で「売り」を実行するのが望ましいです。
上のユーロドルの日足チャートを見ると、「陰のつつみ線」が2つ現れています。 高値圏で2本目のローソク足が大陰線の「つつみ線」は、上昇から下落の転換を示唆しているのですから、「売り」を実行すれば良い、となります。
「つつみ線」も、その形状が明確になるのは、2本目のローソク足の終値が決まった時です。 しかし、今回のケースのような2本目のローソク足の終値が決まった場合では、大きく利益の出るところを逃しているので、事実上、遅すぎることになります。
だから、売買のタイミングとしては、「つつみ線」が完成するところで「売り」を実行すれば良いとなります。 つまり、1本目のローソク足の安値を2本目のローソク足が下に抜ける時に、「つつみ線」が完成するので、そこで「売り」を実行すればよいのです。
上のチャートも参考にしてください。 今回の練習問題は、「ローソク足チャートの典型的なパターン」を探すことだったので、上述の通りに、「つつみ線」の説明をしました。
しかし、このチャートに示した通りに、サポート・ライン(支持線)を下に割り込んだ時点で、「売りシグナル」を発しています。 そして、「つつみ線」のシグナルよりも、サポート・ラインを割り込んで発せられた「売りシグナル」のほうが、効率的に利益になったことがわかります。
だから、「ローソク足チャートの典型的なパターン」に拘泥するのではなく、実際の相場に則した方法を取り入れることが大切です。
編集部の補足:ローソク足にテクニカル指標を組み合わせて分析しよう!
ここまではローソク足の活用テクニックを詳細に解説してきましたが、さらにチャート分析の精度をあげるべく、テクニカル指標と組み合わせての分析にもチャレンジしてみましょう。
今回は移動平均線とMACDという、2つの有名なテクニカルを解説しますが、この2つに限らず、どのテクニカルも価格変動を数値化して計算し、チャート上に視覚化したものです。よってローソク足とセットでチャートを見ることで、より幅広い値動きの分析可能になるでしょう。
移動平均線
ある期間の終値の平均価格を線で結んで表示した非常に有名なテクニカル分析です。
上のチャートはドル円の日足に3本の移動平均線を表示したもので、期間は20・100・200で、ローソク足20本分、100本分、200本分の終値の平均価格になります。
チャートを見れば分かるとおり、期間が短いほど現在の価格の近くを推移しながら敏感に反応し、長くなるほどゆったりとしたラインを描きます。
移動平均線の方向でトレンドを判断したり、離れすぎたところからの戻りを狙うなど、使い方は様々です。
MACD
2本の移動平均線の位置関係からトレンド発生や強弱などを判断できるインジケーターです。
上のチャート下段のMACDというラインが、長短2本の移動平均線の距離を表しています。
トレンドが発生するとこの距離が広がり、トレンドの勢いが衰えると距離が近づいてきます。
その距離と方向を表しているのが、中央のヒストグラムと呼ばれる山や谷で、この部分の上限を確認するのが基本です。
またシグナルは、MACDの移動平均線です。相場に勢いがあって上昇トレンドや下降トレンドがはっきりすると、シグナルがMACDを追い抜くような動きが見られます。